タバコで害する女性の健康(たばこでがいするじょせいのけんこう)

タバコは美肌の大敵。全身に悪影響が!


 タバコの煙には4000種もの化学物質が含まれ、そのなかには約200種類の有害物質や60種類もの発がん物質が存在します。タバコが健康を害するのは当然のことです。
 また、タバコを吸うと毛細血管が縮んで血流が途絶え、皮膚の表面温度が下がります。さらに、活性酸素などの影響により、肌は荒れ、しみやしわができ、たるみやすくなります。
 そのうえ、肩こり冷えみずむし、月経不順なども悪化しやすくなり、口臭、歯肉への色素沈着、歯周病も引き起こされるなど、タバコをファッションで吸うには、多大なマイナス面があります。

健康を害し、更年期も早まります


 喫煙によって肺に入った有害物質は血流に乗り、心臓から全身に回ります。喫煙者の髪の毛からはニコチンが検出されますが、それほど、からだのすみずみに有害物質が深く入り込みます。そして、各種のがんをはじめ、脳卒中肺気腫、ぜんそく、胃潰瘍など、多くの重い病気を引き起こしてしまいます。
 また、喫煙によって女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下したり、更年期が早まったりします。更年期障害が早くやってくるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中、骨粗鬆症などの発症率も高まります。

忘れてはならない受動喫煙の害


 タバコの害は、喫煙者だけにとどまらないのがこわいところです。タバコの煙には、喫煙者が体内に吸い込む「主流煙」と、タバコの先から立ち昇る「副流煙」とがありますが、副流煙のほうが有害物質が多く含まれています。ニコチンは2.8倍、一酸化炭素は4.7倍、タールは3.4倍もあります。
 この副流煙を否応なく吸わされてしまうのが「受動喫煙」です。有害成分の9割以上はフィルターを素通りしてしまう気体(ガス)成分なので、空気清浄機はタバコの煙の有害成分の除去には役立ちません。とくに副流煙は粘膜への刺激が強いので、吸い込むとせき込んだり、涙が出たりします。
 また、受動喫煙はがんや脳卒中のリスクを高めたり、不整脈による突然死や狭心症発作の誘発などを招いたりします。喫煙者の家庭で育った子どもは、肺がんの発症率が2倍になるというデータもあります。

妊娠・授乳期にも重大な影響が


 女性の場合、妊娠、出産時期の子どもへの喫煙の害も見逃せません。胎児はへその緒を通じて、母体から酸素や栄養をもらっています。喫煙によって胎児への酸素や栄養の供給がストップすると、胎盤機能は障害され、流産、早産、低体重児などのリスクが高まります。また、喫煙者は不妊傾向にあるとの報告もあります。出産後も母親が喫煙していると、母乳に血液中よりも3倍に濃縮されたニコチンが含まれます。もちろん赤ちゃんの受動喫煙も重大な問題です。とくに乳幼児突然死症候群は、喫煙家庭に高率で発生します。

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