消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)(しょうかせいかいよういかいようじゅうにしちょうかいよう)

どんな病気?


 胃や十二指腸の粘膜や筋肉の一部がえぐりとられている、つまり、粘膜や筋肉にあながあいた状態です。発生部位によって胃潰瘍、十二指腸潰瘍と区別して呼んだり、両方をまとめて消化性潰瘍ともいいます。

症状


 腹痛がおもな症状で、ほかに胸やけ、げっぷ、吐血、下血などの症状をともなうこともあります。痛みの特徴はつぎのとおりです。

●痛む部位


 おもに上腹部が痛みます。胃潰瘍の場合は左側、十二指腸潰瘍の場合は右側で、指で押すと痛みがはっきりする圧痛のことも。背中が痛むこともあります。

●痛み方


 焼けるように、差しこむように、しくしくなどと表現されることが多いようです。痛みというより重たい感じ、圧迫感のこともあります。

●痛む時間と食事の関係


 十二指腸潰瘍の場合は、胃液の割合が多くなる空腹時や夜間に起こりやすくなります。なにか食べるとおさまるのが特徴です。胃潰瘍の場合は、一概にはいえませんが、やはり空腹時痛が多いようです。

原因


 一般に健康な胃では、胃液の消化作用で胃の内壁がおかされることがないように、胃の粘膜の表層には粘液が薄くかぶさっています。この胃液の消化作用を攻撃因子、胃壁の粘液を防御因子と呼びます。これら二つの因子のバランスがくずれて、攻撃因子の力が強くなったり、防御因子の力が弱くなると、胃液が胃の壁も消化してしまい、潰瘍ができることになります。
 さらに胃の中でヘリコバクター・ピロリ(胃の病気とピロリ菌)という細菌の感染があれば、さらに容易に潰瘍ができることになります。また生活習慣や環境なども発症の誘因になります(消化性潰瘍発症の誘因)。その他、かぜのときの消炎鎮痛剤、抗生物質、ステロイド剤などの服用でも潰瘍ができることがわかっています。

治療


 攻撃因子の力を弱める薬剤、酸分泌抑制剤、防御因子を強める薬剤を服用するなど薬物治療が中心になります。食事は、消化がよく栄養価の高いものを心がけ、タバコ、アルコールは中止します。また趣味や運動などでストレスを解消することもたいせつです。
 潰瘍からの出血がひどく、吐血、下血を起こしている場合には入院し、内視鏡を使って止血の手術をします。
 潰瘍が深くなり、患部にあながあいてしまう穿孔という状態になると、はげしい痛みが生じ、生命の危険があります。この場合は、急性腹膜炎を起こすので、緊急手術が必要です。

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