肺がん(はいがん)

どんな病気?


 肺がんの多くは、腺がんと扁平上皮がんという、気管支の粘膜に発生する2種類のがんです。腺がんの多くは、肺の奥のほうに発生し、女性によくみられます。

原因


 肺がんには喫煙が大きく関係し、喫煙者が肺がんになる危険性は、吸わない人の10倍以上とされています。とくに扁平上皮がんは、気管支の中心部(肺の入り口の太い気管支)に発生しやすく、喫煙と関係が深いといわれています。1日の平均喫煙本数と喫煙をつづけた年数を掛け合わせた数値を喫煙指数と呼び、この値が600以上の人は危険性が高いといえるでしょう。
 また、クロムや石綿などの鉱物性粉塵の吸入、空気汚染なども、肺がんを発生させる一要因といわれています。

症状


 気管支の中心部にできるがん(中心型肺がん)は早期から、せき、喀痰、血痰などの症状が現れます。がんの進行とともに気管支がつまって呼吸困難が起こり、痰がたまって肺炎が生じると発熱もみられます。また、がんが声帯にかかわる神経をおかすために、しわがれ声になったりします。
 中心型肺がんの初期症状は、かぜと似ているので放置しやすいのですが、かぜの場合は、鼻水やのどの痛みをともないます。かぜ特有の症状がなく、せきや痰がつづいたり血痰が出るときには、肺がんを疑います。
 肺の上方(肩のほう)にがんが発生し、交感神経や上腕神経をおかすと、まぶたが下がったり、同じ側の顔面に発汗異常が生じたり、手がしびれる、痛むなどの症状が起こります。
 肺の奥のほうで発生するがん(末梢型肺がん)では、自覚症状が現れにくく、進行すると、中心型と同じ症状に加え、がんが胸壁をおかすために、胸痛、背部痛などが現れます。

検査と診断


 早期発見のための検査には、胸部X線検査と喀痰細胞診検査があり、X線検査は末梢型肺がん、喀痰検査は中心型肺がんの発見に有効です。肺がんが疑われるときは、X線検査、喀痰細胞診検査、気管支鏡検査、胸部CT写真、そのほかの検査を行って診断します。I期からIV期までの4段階に分けられています。

治療


 外科的治療を第1に考え、肺葉切除の手術(気管支が枝分かれするのにしたがい、右肺は三つの部分(3枚)、左肺は二つの部分(2枚)に分かれます。このうち、左肺なら1枚、右肺なら2枚を切除して健康な部分を残す方法)を行います。
 がんにおかされている範囲が広い場合や、ほかの臓器に転移している場合は、局所的には放射線治療、全身的には抗がん剤による化学療法、免疫療法を行います。ほかに、レーザー療法、温熱療法、遺伝子治療などもあります。

あなたへのひとこと


 喫煙者のそばにいる人も影響を受けやすく、これを受動喫煙といいます。タバコを吸わない人も、家族や周囲の人に禁煙や節煙をお願いしたり、喫煙者の近くに寄らないなど自己防衛を心がけましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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