どんな病気?
歯周病はむし歯と並ぶ歯の2大疾患で、35歳以上の日本人で、歯周病のない健康な歯肉を持つ人は10人に1人もいないといわれるほど多い病気です。かつては歯肉から膿が出ることから歯槽膿漏と呼ばれていました。
歯周病は歯を支えている歯周組織がこわされていく病気。歯肉に炎症が起きている状態を歯肉炎、炎症が歯槽骨まですすんだものを歯周炎といいます。
歯周病の進み方
歯肉炎
症状
歯と歯肉のあいだについた歯垢の中で、細菌が繁殖して炎症を引き起こします。炎症が歯肉部にかぎってみられる場合を、歯肉炎といいます。
ほとんどの歯肉炎は、痛みを感じることなく進行していくので、歯肉が赤く腫れあがり、出血があってはじめて気がつくことが多いようです。
治療
この段階で、ブラッシングや、専門の歯科衛生士によるクリーニングで歯垢が取り除かれると、歯周炎に進行するのを防ぐことができます。
歯周炎
症状
歯肉に起きた炎症が、歯槽骨まですすんだものを歯周炎といいます。
歯肉の炎症がすすむと、歯と歯肉のあいだに歯周ポケットと呼ばれるすき間ができ、さらにそこに歯垢がたまって、歯肉が下がり歯根が現れてきます。
そうなると歯がグラグラしはじめ、歯周ポケットから膿が出て、口臭も起きてきます。やがて歯槽骨まで破壊されて、歯が抜け落ちていきます。歯周炎のほとんどは、これら成人性歯周炎と呼ばれるもので、ほかに若年性歯周炎、急速進行性歯周炎があります。
治療
歯に付着している歯垢、歯石(歯垢が石灰化したもの)を取り除きます。歯周ポケット掻爬といって、歯周ポケットの内側の病的な組織をかきだす治療が行われます。それでも十分に取りきれない場合は、歯肉を切り開いて歯根面をきれいにそうじし、歯肉を縫い合わせます。
病的な歯槽骨を除去して、自分の骨やハイドロキシアパタイトを使って骨の再生をはかるという外科的な治療も行われています。
若年性歯周炎
●症状
11~19歳の思春期に起こる歯周炎で、男性より女性に多くみられます。
歯肉の状態は正常なのに、歯周ポケットが深くなっていて、歯がグラグラし、歯槽骨が破壊(骨吸収)されるというものです。家族に同じ症状を示す人がいる場合があります。白血球の機能異常と関係があるといわれています。
●治療
早期に発見し、早期治療すれば完全に治すことができます。治療方法は、一般的な歯周炎と同じです。
急速進行性歯周炎
●症状
重度の歯周破壊が、広い範囲で、しかも短期間に起きるものです。20~35歳までのあいだに発症し、白血球の異常が関係しているといわれています。
●治療
一般的な歯周炎と治療法は同じで、歯周ポケット掻爬を行います。
あなたへのひとこと
食べたあとはかならず歯みがきを。歯ブラシはヘッドが小さめでナイロン製のものを選びます。電動歯ブラシは、みがき方がむずかしいので、医師や歯科衛生士から正しい使い方の指導を受けましょう。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。