義歯とインプラント(ぎしといんぷらんと)

 1989年に、当時の厚生省(現在の厚生労働省)と日本歯科医師会が協力して8020運動をスタートさせました。80歳になったとき自分の歯が20本残っているようにしようという運動です。しかし、実際は、50歳をすぎるころから歯根面のむし歯歯周病で歯が抜けていって、70歳前後には、多くの歯を失っているのが現状です。

義歯やブリッジにくらべ、より天然の歯に近いインプラントが登場!


 むし歯や歯周病で歯が抜けたとき、そのままにしておくと、そこから空気が抜けて発音しにくくなるだけでなく、かみ合わせが悪くなったり、十分に食べ物を咀嚼できなくなります。まわりの歯に負担がかかって、歯が移動しはじめ、それらの歯も失ってしまうという結果になりかねません。それを防止するために、義歯(入れ歯)やブリッジで歯を補うことを補綴といいます。
 歯を1本失った場合は、失った両隣の健康な歯を削って橋げた(支台歯)にして、金属の橋(ブリッジ)をかけ、失った歯のかわりに人工歯を入れます。歯をたくさん失った場合は、健康な歯に金属のバネをかけ、人工歯を取りつけます。歯をすべて失った場合は、総義歯となります。
 ブリッジの場合は、自分の歯と同じようにかめますが、ブリッジを固定するために、健康な両隣の歯を削らなくてはなりません。また、総義歯は、歯肉との粘着力で支えているため、がたつきを起こしやすく、味覚も損なわれます。かたい食べ物や粘り気のある食べ物が食べにくいとか、異物感を感じる人もいます。
 そこで登場してきたのがインプラントです。インプラントとは、歯を失った部分のあごの骨(歯槽骨)の中に、人工的な歯根を埋め込み、その上に人工歯を取りつける方法です。人工歯根とも呼ばれ、できるだけ天然の歯に近い構造と機能、見た目の美しさ(審美)を追求した治療方法です。
 しかし、あごの骨に歯根を植え込む手術が必要なため、骨が健康であること、糖尿病などの病気がないこと、タバコを吸わないことなどのいくつかの条件があります。
 また、半年に1度はチェックが必要ですから、歯の健康管理がきちんとできる人でなければなりません。健康保険も適用されません。それでも、義歯の不自由さを考えると、インプラントは画期的な治療法にはちがいありません。
 もちろん、自分の歯を残す努力をして、自分の歯でかむことができるのが、いちばんであることはいうまでもありません。

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