先天性の心疾患は、生まれつき心臓に形態の異常がみられ、血液の流れにトラブルが起こる病気です。形態異常がみられる場所、内容はさまざまです。
肺への血液の流れを肺循環、全身への血液の流れを体循環といいますが、心臓内部には心室中隔、心房中隔といった、いわば壁のようなものが要所要所にあるため、肺循環の血液と体循環の血液が混じらないようになっています。ところが、これらの中隔に欠損がみられる、つまり穴があいていることがあり、この場合、血液が混じることになります。
また心臓には4つの弁があり、これらが開いたり閉じたりして血液がうまく流れるしくみになっていますが、この弁に形態異常がみられる場合があります。弁が閉じてしまっている閉鎖、弁が十分に開かない狭窄、血液の逆流が起こる閉鎖不全などです。
先天性心疾患は、こういった形態異常が単独ではなく、ほかの形態異常をともなうことが多いのが特徴です。
その形態異常の組み合わせにより、いろいろな疾患がみられます。もっとも多いのは心室中隔欠損(「心室中隔欠損」)で、先天性心疾患の4割近くを占めます。ついで心房中隔欠損(「心房中隔欠損」)、肺動脈弁狭窄(「肺動脈弁狭窄」)、ファロー四徴症(「ファロー四徴症」)、動脈管開存(「動脈管開存」)の順です。いずれも原因はわかっていません。
心臓病というとどれも重い病気と思われがちですが、緊急手術を要するものがある一方、放置しても自然に治るものもあります。病気の種類、また、同じ病気でもひとりひとりのケースによって重症度がちがいます。
先天性心疾患は、生まれてすぐに発見されるものもあれば、とくに症状が現れず、学童期になってから診断がつくものもあります。
日常生活で、つぎのような症状がみられたら、心疾患の疑いがあります。
息づかいが荒い、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪い、体重がふえない、唇が紫色に見える(チアノーゼ)。
歩いてもすぐに疲れてすわり込んでしまう、長い距離を歩けない、呼吸数が多い、気を失うことがある。
周囲の子の運動についていけない、動悸を訴える、気を失う。
先天性心疾患は、大きく4つのグループにわけられます。
心室、あるいは心房に欠損の部位があったり、本来閉じているべき動脈管が閉じずに残っているため、肺へ流れる血液の量が多くなります。その結果、正常な心臓にくらべて心臓の大きさが拡大しますが、これを心拡大と呼びます。また、肺の血圧が高くなります。
おもな症状は、きげんが悪い、ミルクの飲みが悪い、体重がふえない、息づかいが荒い、呼吸数が多い、手足が冷たいなどで、一般にチアノーゼはみられません。病気がわかっている場合は、これら、ミルクの飲み具合、体重の変化、息づかいなどに気をつけ、いつもとようすがちがうときは受診します。
肺動脈狭窄など、4つの心臓の形態異常を合わせもっている病気、ファロー四徴症(「ファロー四徴症」)が代表的な例ですが、肺へ流れる血液の量が減少します。肺への血流量が少なくなるので、酸素化されて帰ってくる血液の量が少なくなり、チアノーゼが起こります。
おもな症状は、血液に含まれる酸素の量が少なくなり、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼがみられることです。
チアノーゼが急に強くなり、ふきげんになって、ひどいときには意識を失うことがありますが、これを無酸素発作といいます。病気がわかっている場合は、無酸素発作に気をつけます。
チアノーゼは、おもに肺血流量減少群に起こるものですが、肺血流量が増加する病気にも起こります。心臓とつながっている大動脈、肺動脈、肺静脈などが本来のつながり方と異なっている場合で、チアノーゼのほかに、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪いなどの症状がみられます。
弁膜が閉じて開かない閉鎖、弁膜が十分に開かない狭窄など、心臓弁(弁膜)のどれかに異常があります。症状のでないこともありますが、息づかいが荒い、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪い、体重のふえ方が悪いなどの症状がみられます。年長児では、体を動かしたときに呼吸困難がみられることもあります。
心臓病を患っている乳幼児のなかには、かぜをこじらせて、気管支炎や肺炎になりやすい子もいます。本人だけでなく家族も、ふだんからかぜをひかないようにすることが大切です。また、汗をかきやすいので、下着をこまめにかえてあげます。
心臓に形態異常があると、心臓に細菌が感染することがあります。これを感染性心内膜炎といいます。むし歯や扁桃腺炎、中耳炎など体の中に長期間、細菌が存在する状態が続くと、かかりやすいので気をつけます。むし歯の治療を受けるときには、歯科医に心臓病であることを伝えます。
感染性心内膜炎の症状としては、発熱だけのこともあれば、ほかに呼吸数が多い、体を動かしたときに呼吸困難を起こすなどの症状をともなうこともあります。発熱が続く場合は、主治医に相談しましょう。
運動については、過不足なく行うのがよいので、主治医と十分に相談しながらすすめましょう。
予防接種は、原則的に受けてはいけないものはありません。ただし、発熱などの副作用により、心臓病の症状が悪化することも考えられるので、接種を受けるときは、事前に主治医に相談したほうがいいでしょう。
肺への血液の流れを肺循環、全身への血液の流れを体循環といいますが、心臓内部には心室中隔、心房中隔といった、いわば壁のようなものが要所要所にあるため、肺循環の血液と体循環の血液が混じらないようになっています。ところが、これらの中隔に欠損がみられる、つまり穴があいていることがあり、この場合、血液が混じることになります。
また心臓には4つの弁があり、これらが開いたり閉じたりして血液がうまく流れるしくみになっていますが、この弁に形態異常がみられる場合があります。弁が閉じてしまっている閉鎖、弁が十分に開かない狭窄、血液の逆流が起こる閉鎖不全などです。
先天性心疾患は、こういった形態異常が単独ではなく、ほかの形態異常をともなうことが多いのが特徴です。
その形態異常の組み合わせにより、いろいろな疾患がみられます。もっとも多いのは心室中隔欠損(「心室中隔欠損」)で、先天性心疾患の4割近くを占めます。ついで心房中隔欠損(「心房中隔欠損」)、肺動脈弁狭窄(「肺動脈弁狭窄」)、ファロー四徴症(「ファロー四徴症」)、動脈管開存(「動脈管開存」)の順です。いずれも原因はわかっていません。
心臓病というとどれも重い病気と思われがちですが、緊急手術を要するものがある一方、放置しても自然に治るものもあります。病気の種類、また、同じ病気でもひとりひとりのケースによって重症度がちがいます。
先天性心疾患は、生まれてすぐに発見されるものもあれば、とくに症状が現れず、学童期になってから診断がつくものもあります。
日常生活で、つぎのような症状がみられたら、心疾患の疑いがあります。
新生児・乳児期の場合
息づかいが荒い、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪い、体重がふえない、唇が紫色に見える(チアノーゼ)。
幼児期の場合
歩いてもすぐに疲れてすわり込んでしまう、長い距離を歩けない、呼吸数が多い、気を失うことがある。
学童期の場合
周囲の子の運動についていけない、動悸を訴える、気を失う。
先天性心疾患の特徴
先天性心疾患は、大きく4つのグループにわけられます。
肺血流量増加群
心室、あるいは心房に欠損の部位があったり、本来閉じているべき動脈管が閉じずに残っているため、肺へ流れる血液の量が多くなります。その結果、正常な心臓にくらべて心臓の大きさが拡大しますが、これを心拡大と呼びます。また、肺の血圧が高くなります。
おもな症状は、きげんが悪い、ミルクの飲みが悪い、体重がふえない、息づかいが荒い、呼吸数が多い、手足が冷たいなどで、一般にチアノーゼはみられません。病気がわかっている場合は、これら、ミルクの飲み具合、体重の変化、息づかいなどに気をつけ、いつもとようすがちがうときは受診します。
肺血流量減少群
肺動脈狭窄など、4つの心臓の形態異常を合わせもっている病気、ファロー四徴症(「ファロー四徴症」)が代表的な例ですが、肺へ流れる血液の量が減少します。肺への血流量が少なくなるので、酸素化されて帰ってくる血液の量が少なくなり、チアノーゼが起こります。
おもな症状は、血液に含まれる酸素の量が少なくなり、皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼがみられることです。
チアノーゼが急に強くなり、ふきげんになって、ひどいときには意識を失うことがありますが、これを無酸素発作といいます。病気がわかっている場合は、無酸素発作に気をつけます。
チアノーゼをともなう肺血流量増加群
チアノーゼは、おもに肺血流量減少群に起こるものですが、肺血流量が増加する病気にも起こります。心臓とつながっている大動脈、肺動脈、肺静脈などが本来のつながり方と異なっている場合で、チアノーゼのほかに、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪いなどの症状がみられます。
弁疾患群
弁膜が閉じて開かない閉鎖、弁膜が十分に開かない狭窄など、心臓弁(弁膜)のどれかに異常があります。症状のでないこともありますが、息づかいが荒い、呼吸数が多い、ミルクの飲みが悪い、体重のふえ方が悪いなどの症状がみられます。年長児では、体を動かしたときに呼吸困難がみられることもあります。
心臓病をもつ子どものケア
心臓病を患っている乳幼児のなかには、かぜをこじらせて、気管支炎や肺炎になりやすい子もいます。本人だけでなく家族も、ふだんからかぜをひかないようにすることが大切です。また、汗をかきやすいので、下着をこまめにかえてあげます。
心臓に形態異常があると、心臓に細菌が感染することがあります。これを感染性心内膜炎といいます。むし歯や扁桃腺炎、中耳炎など体の中に長期間、細菌が存在する状態が続くと、かかりやすいので気をつけます。むし歯の治療を受けるときには、歯科医に心臓病であることを伝えます。
感染性心内膜炎の症状としては、発熱だけのこともあれば、ほかに呼吸数が多い、体を動かしたときに呼吸困難を起こすなどの症状をともなうこともあります。発熱が続く場合は、主治医に相談しましょう。
運動については、過不足なく行うのがよいので、主治医と十分に相談しながらすすめましょう。
予防接種は、原則的に受けてはいけないものはありません。ただし、発熱などの副作用により、心臓病の症状が悪化することも考えられるので、接種を受けるときは、事前に主治医に相談したほうがいいでしょう。
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