どんな病気?
大部分は21番染色体が3本ある(トリソミー)ことにより起こる常染色体異常です。特有の顔つき、知的障害などがみられます。約600~800人に1人の割合で生まれるといわれます。
症状
目と目の間隔が開き、つり上がった目尻、幅広く扁平な鼻、長い舌、変形した耳など特有の顔つきと、低身長、太く短い首、幅の広い手などの特徴がみられます。全身の筋肉の緊張が低下しており、また知的障害や運動能力の発達の遅れもみられます。
先天性心疾患(「先天性心疾患(心臓)」)、食道閉鎖症(「先天性食道閉鎖症(消化器)」)、先天性腸閉鎖症(「先天性腸閉鎖症(消化器)」)、鎖肛(「鎖肛(消化器)」)、先天性白内障(「白内障」)などをともなっていることも多く、また後天的に甲状腺機能低下症(「甲状腺機能低下症」)が起こりやすくなります。
原因
多くは、卵細胞が減数分裂するとき、21番染色体が分離できずに起こると考えられています。この現象は、高年齢の母親ほど起きやすいといわれます。また父親も55歳をすぎると、ダウン症児の出生率が高くなります。
しかし高齢出産とダウン症の関係が知られるようになり、出生前診断(「出生前診断は十分に話し合う」)の導入などで、実際には高齢でのダウン症児出生率は減っています。上の子がダウン症でも、つぎの子がダウン症になる再現率は0.5%程度です。
検査と診断
染色体検査を行います。早期診断・早期療育が重要です。妊娠中に羊水を採取して染色体異常を調べる、出生前診断も可能です。
治療
心臓や消化器系の形態異常をともなうときは、手術などを行います。以前、ダウン症児は心疾患で亡くなることが多く、短命といわれました。しかし、心疾患などの治療を行うようになった現在、平均寿命は50歳代半ばです。
家庭でのケア
免疫力が弱いので、感染症対策が必要です。肺炎など重症の感染症を予防するために、ホームドクターがいることが望まれます。また日ごろから外気浴などをして、皮膚や粘膜を丈夫にすることが大切です。
予防接種は、多くの場合、通常どおり行ってかまいません。また学童期には肥満(「小児肥満症」)になりやすいので、食生活に気をつけ、家事を手伝わせるなど、体を動かす生活を習慣づけます。
ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。
掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。