小児肥満症(しょうにひまんしょう)

どんな病気?


体の脂肪組織が必要以上にふえた状態で、症候性肥満と単純性肥満があります。

症状


肥満症かどうかを判定するのに、乳児(生後3か月以内は除く)や幼児にはカウプ指数、学童期には肥満度が用いられるようです。
カウプ指数=体重(g)÷{身長(cm)×身長(cm)}×10
 この指数が20以上が肥満です。
肥満度(%)={実測体重(kg)-標準体重(kg)}÷標準体重(kg)×100
 肥満度は、実測体重が自分の年齢の標準体重からどのくらい離れているかをみるもので、20%以上が肥満です(「標準体重」)。

原因


症候性肥満は、つぎのような病気が原因で起こるものをいいます。
①下垂体・副腎系の疾患、副腎皮質ホルモン剤の長期大量投与、甲状腺や副甲状腺の機能低下症など内分泌の病気。②間脳の器質性疾患など中枢神経系の病気。③進行性筋ジストロフィー(「筋ジストロフィー」)などの筋疾患。④プラダー・ウィリー症候群(幼児期の筋緊張低下、幼児期以降の肥満、成長・知的障害、性腺発育不全、特徴的な顔貌がみられる病気。原因不明ですが、一部に先天性異常の場合があります)。
 単純性肥満は肥満以外に病気がないものをいい、小児肥満症の大部分はこれに含まれます。原因は遺伝(体質)3に対して環境7くらいの割合ですが、最大要因は過食です。摂取カロリーが消費エネルギーを大幅に上まわると肥満になります。過食が単純性肥満の原因といっても過言ではありません。
 なかには、心理的不安から過食になって、肥満になることもあるので、カウンセリングが必要な場合もあります。

治療


症候性肥満の場合は、原因の病気の治療と食事療法を行います。
 単純性肥満の場合、問題なのは10歳前後以降の小学生です。乳児の肥満はその後の肥満にかならずしもつながりませんが、この時期の肥満は成人の肥満症につながる可能性があるからです。
 乳幼児の肥満や、高学年児でも軽度の肥満(肥満度が20~30%未満)は、それ以上太らないように注意していると、成長にともなって身長とのバランスがとれるようになるので、積極的な減量は必要ありません。体重の増加が成長曲線を大きく上まわり、肥満の程度が強いときは、以下のことに留意します。
図「小児肥満症①」
低カロリー、低脂肪、高たんぱくの食事を。摂食障害(「思春期に多い摂食障害」)を起こさないよう、内容にむりのない食事療法を行い、学校などとの相談も。
図「小児肥満症②」
運動嫌いな子どもも多いので、早足での買い物の手伝いや、動きの楽しい運動を毎日15分~1時間くらい行う。肥満度が50%以上や合併症がある場合は、運動前に医師のチェックを。
図「小児肥満症③」
子どもだけにがまんをしいるのではなく、家族全員が早寝早起きして、3食をきちんととること。食事はよくかんで食べることも大切。

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