月経時をさわやかにすごす日常生活のコツ
月経前から月経中にかけては、ホルモンの関係で乳房が張る、からだがむくむ、生理痛、頭痛(頭痛のいろいろ)、腰痛、下痢、肩こり、冷えなどのからだの不調や、イライラする、気分がふさぐといった心の変調が起こりがちです。月経は毎月訪れるものだけに、少しでもこうした心身のトラブルを軽減し、この時期をじょうずに乗り切りたいものです。
月経前の精神的に不安定な時期には、大事な判断やプレッシャーのかかることを避け、好きなものを食べて好きなことをしたり、アロマテラピーなどでリラックスしてすごしましょう。
また月経中は、ふだん以上に清潔を心がけます。とくにシャワーやおふろはお勧め。血液循環がよくなるので、骨盤内のうっ血が解消されて、下腹部の不快感がやわらぎます。またストレッチ体操程度の軽い運動も、血行をよくする効果があります。
反対に、からだを冷やすと血行が悪くなり、症状が重くなることもあります。携帯用カイロを利用したり、厚手の下着を身につけて、腰から下をあたためましょう。きついガードルなど、からだを締めつけるものは血行をさまたげます。靴もかかとの高いパンプスより、かかとが低く、足先の幅がゆったりしたものを選びましょう。
また、月経中はセックスやはげしい運動はひかえます。痛みが強いときは、いつまでもがまんせず、早めに鎮痛剤を飲みます。鎮痛剤は長期間飲みつづけなければ、からだに害はありません。
栄養を十分にとり、カフェインや香辛料などの刺激物、塩分、お酒の飲みすぎはなるべく避け、十分な睡眠をとるようにしましょう。
ケア用品をじょうずに使っていつも清潔を心がける
生理用のケア用品の特徴を知って、じょうずに使い分けましょう。最近は改良がすすみ、就寝中や長時間席を立てないときでも、漏れなどの心配がなくすごせるようになりましたが、その反面、不快を感じにくいために、ケア用品の取り替えをついあとまわしにしてしまいがちです。長時間体温であたためられ、経血やおりものを吸収したケア用品は、雑菌の温床となります。ムレやにおい、かぶれの原因となるだけではなく、腟炎などの病気を引き起こす原因にもなります。
ケア用品はこまめに取り替え、月経の期間中は入浴やシャワー、温水器付き便座のビデ機能などを利用して、外陰部を清潔に保ちましょう。
ナプキンの使い方
ナプキンは吸水紙やビニールシートなどでできており、裏面や羽根の部分に接着テープがついています。ナプキンを正しい位置にあてて、テープ部分をしっかり生理用ショーツに固定し、トイレのたびに取り替えれば、漏れの心配はほとんどありません。とくに量が多くて心配なときは、生理用ショーツの上からスパッツや毛糸のパンツを重ねばきすれば安心です。
サイズもいろいろあり、長時間トイレにいけないときや量の多い人は昼でもロングを使うなど、経血の量や時間の状況に合わせて使い分けると便利。
ただし、トイレにいくたびに取り替えることを忘れずに。捨てるときは、汚れた面を内側にして折りたたみ、ナプキンの包装シートで包んで汚物入れへ。水洗トイレでは、つまりの原因になるので流せません。自宅以外のトイレでもきちんとマナーを守りましょう。
おりものシートの使い方
ナプキンよりもずっと薄く、ほとんどつけていることを意識しないですむのがおりものシート。おりものが気になるときだけではなく、月経の終わりかけや、タンポンと併用するなど、月経時に使用する人も多いようです。汚れていないように見えても、長時間使えば、雑菌が繁殖して不潔になります。トイレのたびに取り替えましょう。
タンポンの使い方
タンポンは、直接腟の中に挿入して経血を吸収するケア用品です。挿入の仕方によってアプリケーター式、フィンガー式などがあり、サイズもさまざまなものがあります。取り替えるときは、タンポンについたひもをひっぱって体外に出します。
正しく挿入されていれば痛みや異物感はなく、からだの外に経血が出ないためベタつきやにおいが気にならず、おふろやプールの水を汚す心配もありません。その反面、挿入時や、そのあとでひもをつたって大腸菌などが侵入し、長時間入れっぱなしにすると腟内で雑菌がどんどん繁殖して腟炎、子宮内膜炎、子宮付属器炎などをひき起こすことがあります。
量が多くてナプキンではどうしても不安なときやプールのときなど、必要なときにだけタンポンを使うようにするといいでしょう。その場合もかならず2~3時間おきに交換し、出し忘れにはくれぐれも注意しましょう。
においが気になるときは通気性と吸水性をよくする
経血自体は基本的に無臭ですが、体外に出たあと、細菌が繁殖してにおいのもとになります。ですから、通気性、吸水性のよい綿素材の下着をつけ、こまめにナプキンやタンポンを交換することで、かなり予防することができます。とはいっても、月経のにおいは、自分が気にするほど他人にはわからないもの。気にしすぎないことです。
生理用品にかぶれたらナプキンを変えてみる
月経中のかぶれの原因は、大きく分けて二つあります。一つはナプキンとの摩擦によるもの。動くたびにナプキンと皮膚がこすれることで、ヒリヒリしたり、かゆくなったりします。もう一つは、ムレによって経血にかぶれてしまうもの。ナプキンをあてていると、どうしても通気性が悪くなるため、経血が皮膚を刺激してしまうのです。
摩擦によってかぶれが起こるときは、表面がなめらかで、形がからだにフィットするものを選ぶなど、ナプキンの種類を替えてみましょう。ムレが原因の場合は、ナプキンをこまめに取り替えること。吸収性がよく、表面に経血が残りにくいナプキンを選びます。それでもダメなときは、タンポンを使う手も。かゆみはカンジダ腟炎(腟炎)などが原因のこともあるので、治らないときは婦人科を受診しましょう。
周期をずらしたいときはホルモン剤を処方してもらう
結婚式や旅行など、どうしても月経が重なって困るときは、1か月以上前に婦人科へいき、ホルモン剤(ピルなど)を処方してもらえば、月経時期を前後にずらすことができます。
前にずらしたい場合は、前月の月経5日めごろから薬を飲みつづけ、月経を起こしたい日の2~3日前に服用を中止すると無排卵性の月経が起こります。あとにずらす場合は、当月の月経予定日の約5日前から薬を飲みつづければ、そのあいだは月経が起こりません。
婦人科を訪れるときは、事前に基礎体温表をつけていくとよいでしょう。月経周期がつかみやすく、より確実に時期をずらすことができます。
ホルモン剤は、医師の指示に従って短期間に服用するだけなら、からだへの悪影響を心配しなくてもだいじょうぶです。
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