思春期に気をつけたいからだのトラブル・病気(しきゅんきにきをつけたいからだのとらぶるびょうき)

 思春期は、女性ホルモンが急激にふえ、子どもから大人の女性へとからだが変わる時期です。また、体重、身長が著しく成長します。
 そのためにこの時期は、からだの成長と内臓や神経機能の発育のバランスがとれずに、いろいろなからだのトラブルが起こることもあります。からだのようすが変だなと思ったら、婦人科を受診して相談しましょう。

月経異常


 初経があっても、生殖機能が成熟するまでの4、5年は、月経周期に個人差があります。月経周期が安定してきて、少なくとも3回以上、正常な周期がつづけば、成熟したと考えられます。ですから、その後、月経が乱れた場合は、放置しないことが重要です。

●早発月経


 10歳未満で初経がみられるものです。7歳未満で乳房の発育、9歳未満で陰毛の発生など、第二次性徴が通常より早くはじまるものを総称して思春期早発症といいます。

●晩発月経


 15歳以上になってから初経がみられるもので、第二次性徴が遅いものをいいます。

原発性無月経


 18歳以後も初経がないものをいいます。

続発性無月経


 いままであった月経が、病気、ストレスやダイエットなど、なんらかの理由で3か月以上なくなるものをいいます。

頻発月経


 月経周期が24日以内のものをいいます。

稀発月経


 月経の周期が、39日以上3か月未満のものをいいます。これから引きつづいて、続発性無月経に進行するものもあります。

過多月経


 1時間とナプキンがもたない、そのために外出をひかえなくてはならないなど、日常生活に差し支えるほど出血量の多いものです。そのために貧血になったりします。逆に、量が極端に少ないのは過少月経です。

過長月経


 1回の月経日数が、8日以上のものをいいます。反対に2日以下のものは、過短月経といいます。


月経前緊張症


 月経の数日前から、イライラ、下腹部痛、むくみ、吐き気などさまざまな症状が起こり、月経開始とともに消えるものです。原因は精神的なもの、ホルモン分泌も関係すると考えられますが、はっきりしません。


月経困難症


 月経開始とともに、下腹部痛などがひどく、1回の月経で2回以上、鎮痛剤を飲まずにはいられないとか、日常生活に支障をきたすほどのつらい症状があるものをいいます。原因となる病気があって起こる場合と、原因となるものを特定できない場合とがあります。


腟炎


 色のついたおりものがふえ、痛みやかゆみなどがあります。まだ腟内が十分に酸性になっていないため、細菌が繁殖し、炎症を起こしやすいのです。


性感染症


 性交によって感染する病気を総称して性感染症といいます。近年若年層にふえているのが、性器クラミジア感染症腟トリコモナス症などです。
 性器クラミジア感染症は、ほうっておくと、将来、不妊症になるおそれもあります。不快な症状に気づいたら、婦人科を受診しましょう。


思春期貧血


 このころの貧血はおもに鉄欠乏性貧血です。月経もはじまり、少量ながらも毎月、血液も失われます。また、急激にからだが成長するこの時期は、鉄分の需要が大幅に増加するので、十分な栄養が必要です。きちんとした食事をとらないと、さらに鉄分が不足し、貧血になりやすいのです。


不定愁訴症候群


 いろいろ検査しても原因となる身体的異常は見つからないのに、さまざまな不調を訴える場合、これを不定愁訴といいます。更年期などに、ホルモンのバランスがくずれてよくみられます。同じくホルモンバランスの不安定な思春期も不調の訴えは多いのです。睡眠不足や不規則な生活は、よけいにからだの不調を招くので注意します。


起立性調節障害(自律神経失調症(自律神経と自律神経失調症))


 自律神経失調症の一つですが、不定愁訴症候群ともいえます。からだが急激に成長するこの時期に、神経や血管の成長が追いつかずに起こります。めまいや立ちくらみ、朝、起きられない、寝つきが悪い、授業中に居眠りがでる、午前中はぼんやりする、乗り物に酔いやすいなどの症状が特徴です。朝、学校にいけないと登校をしぶるときも、この障害が原因であることがあります。


脊柱側弯症


 小学校高学年ころにみられる病気で、背筋がねじれをともなって一方の側に曲がります。学校での健診や家族に発見されたりします。早いうちなら姿勢を正しくして、片方の手で重いものを持たないなどで矯正されることもあります。早めに整形外科を受診します。

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