どんな病気?
性感染症のなかでももっとも感染する頻度が高い病気といわれています。女性は多くの場合、自覚症状がなく、治療に結びつきにくいため、女性の患者さんが多いのです。
病気の場所はおもに子宮の入り口(子宮頸管部)で、子宮頸管炎を起こします。感染が卵管、卵巣に向かって広がると、子宮付属器炎、骨盤腹膜炎などを発症することもあります。妊娠中の場合、感染したまま出産すると、赤ちゃんに産道感染(赤ちゃんが産道を通過するときに、産道にいるウイルスや細菌が、目や口などの粘膜を通じて感染します)し、生後5~7日めごろから目やにをともなう新生児結膜炎を発症します。生後30~50日めごろから、新生児肺炎を発症することもあります。
症状
潜伏期間は1~2週間。女性の場合、おりものの異常などの症状を訴える人は少なく、多くは自覚症状のない子宮頸管炎です。下腹部痛や不正出血のような症状がみられる場合は、子宮付属器炎を疑う必要があります。
原因
セックスにより、クラミジア・トラコマチスという細菌が感染して発症。これは咽頭にも潜伏していることがあり、オーラルセックスでも感染します。子宮頸管の検査でクラミジア陽性者の約30%が、咽頭にもクラミジアを持っているという報告もあります。
治療
マクロライド系、テトラサイクリン系の抗生物質、ニューキロノン製剤が有効です。妊娠中の人や赤ちゃんにはマクロライド系抗生物質を使います。ふつう1~2週間ほどの内服で治癒しますが、子宮付属器炎を合併していると、時間がかかります。
あなたへのひとこと
治療せず、結果として子宮付属器炎にすすむと、生殖機能に重大な障害を与え、卵管狭窄や閉塞から不妊症(不妊症と不妊治療)になりやすいことが指摘されています。
もし、あなたの感染がわかったらかなりの確率でパートナーにも感染しています。よく話し合っていっしょに治療を受け、完全に治すことです。当然、完治するまでセックスは厳禁です。
また不特定多数の相手とセックスをしている女性で、治療しても再感染するケースが多くみられます。最近は、10歳代の子どもたちにも広がり、社会問題になっています。将来赤ちゃんを生むというたいせつなからだです。自分の性行動のあり方と予防について、見直してみましょう。
性器クラミジア感染症についてもっと知る
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