ひきつけたとき(ひきつけたとき)

ひきつけが何分続いたかが、病気発見の重要な手がかりに

 子どもが体を硬直させたかと思うと、白目をむいてふるえだし、呼んでも反応がない……ひきつけは突然こんなふうにはじまりますから、お母さんが、動転するのもむりもないことです。
 しかしたいていのけいれんは、長くても5分以内におさまります。命にかかわることはまずありませんから、気持ちを落ち着けて、応急処置(「けいれん・ひきつけの応急手当て」「ひきつけ(けいれん)を起こしたときの対処法」)をしながらけいれんが何分続くかをはかってください。
 また、①けいれんは左右対称か、あるいは体の片側だけなのか、②白目をむいたときの瞳の位置、③けいれんがおさまったあとの意識の有無、④体温などもかならず確認を。医師がみるころには、けいれんがおさまっていることがほとんどですから、お母さんの観察が重要な情報になります。

乳幼児が起こすひきつけのほとんどは、心配のない熱性けいれん


 赤ちゃんや小さな子どものひきつけはめずらしいものではなく、生後半年ごろから4〜5歳くらいの子どもの12〜13人に1人の割合でみられます。
 なかでももっとも多いのが熱の上がりぎわに起こす「熱性けいれん」(「けいれん・ひきつけの応急手当て」「熱性けいれん」)です。かぜなどで急に高熱がでるときには、悪寒がすることがありますが、脳のはたらきが未発達な乳幼児期は、高熱が脳への刺激となって、けいれんを起こすことが多いのです。
 また、熱性けいれんは遺伝的な傾向があります。両親のどちらかが子どものころにひきつけを起こしている家庭では、いざというときの対処法や注意点を覚えておくとよいでしょう。
 熱性けいれんをたびたび起こす子どもも、大きくなるにつれてひきつけの回数は減り、5〜6歳ごろにはなくなります。後遺症の心配もありません。
図「ひきつけたとき」
熱の上がりぎわに起こしやすいのが、熱性けいれん。数分でおさまり、けいれん後の意識ははっきりしています。

病気ではないひきつけもあります


 小さな子どもでは、「憤怒けいれん」(「けいれん・ひきつけの応急手当て」「憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)」)によるひきつけも多いものです。はげしく泣いていた子どもが、急に呼吸を止めて、意識がなくなったり、真っ青な顔をしてひきつけたりしますが、発作はすぐにおさまって、その後はケロリとしています。
 これは、ひどく泣いたために息つぎができなくなり、脳に一時的に酸素がいかなくなって起こったものです。1〜3歳ごろによくみられるものですが、成長とともに落ち着きます。
 子どもがはげしく泣きだしたときは、抱きしめて気持ちを落ち着かせてあげてください。
 憤怒けいれんは、たぶんに体質的なものが関係しているようです。病気ではありませんが、ひんぱんに起こすときには、医師に相談を。漢方薬が有効なこともあります。
 またひきつけに似たものに、熱による悪寒や、過換気症候群(「過換気症候群」)、解離症(「解離症(ヒステリー)」)の発作などがあります。

新生児期や学童期以上の子どものひきつけは、要注意


 ひきつけは、てんかん(「てんかん」)や、頭部外傷による頭蓋内出血(「頭を打ったときの応急手当て」)、脳腫瘍(「脳腫瘍」)、小児糖尿病から起こる低血糖(「低血糖」)、熱中症(「熱中症の応急手当て」「熱性障害(熱中症)」)やはげしい下痢・嘔吐などからくる脱水症状でも起こります。
 熱性けいれんは、生後6か月から5歳ころまでにみられるものですから、これより小さな赤ちゃん、あるいは大きな年齢の子どものひきつけには、注意が必要です。
 いずれにしても、熱がないのにひきつけたときや、ひきつけの持続時間が長い場合には、くわしく脳波の検査をする必要があります。

受診する


5分以内のひきつけなら、病院に直行


 たいていのひきつけは、2〜3分以内でおさまって、その後はケロリとしています。発作がおさまったら熱をはかって、車やタクシーで病院に直行します(「ひきつけ(けいれん)を起こしたときの対処法」)。

至急受診


5分以上続くひきつけ


 ひきつけが5分以上続くときは、けいれんの途中でも、病院に連絡するか救急車を呼びます。

ひきつけがすぐにおさまっても、全身状態が悪いとき


 2〜3分でひきつけがおさまっても、意識がはっきりしない、チアノーゼを起こしている、呼吸がおかしい場合は心配です。ただちに受診してください。
 そのほか、つぎのようなひきつけは、熱性けいれん以外の病気が疑われます。
①熱もないのにひきつけた(てんかん、頭の外傷、脳腫瘍など)
②高熱や嘔吐をともない、くり返しひきつけを起こす、けいれん後も意識がはっきりしない(「髄膜炎」「急性脳炎」「急性脳症」)
③ひきつけが左右対称ではなく、体の片側だけに強く起こる(てんかん、脳腫瘍、頭蓋内出血など)

医師に伝えたいこと


ひきつけは何分続いたか
頭を打った、もしくは最近頭を打ったことがあるか
発熱、嘔吐の有無
ひきつけは、左右対称か
白目をむいたときの、瞳の位置(左を向いたなど)
ひきつけがおさまってから、意識があったか

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