妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

重症にならないために塩分をひかえ、体を休めます

どんなトラブル?

 ⇒ 妊娠20週以降に高血圧(最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上)になります。また、高血圧とたんぱく尿がでる、子癇(意識消失をともなう全身性けいれん)などがみられることがあります。原因は不明ですが、腎臓のはたらきが悪くなり、血管が弱くなって起こるといわれます。
 重症(最高血圧160mmHg以上、最低血圧110mmHg以上)になると入院治療が必要です。妊娠中、もっとも避けたいトラブルです。

赤ちゃんへの影響

 ⇒ 軽症のうちに治療すれば、胎児への影響はほとんどありませんが、重症になると胎盤機能が衰え、赤ちゃんにいく血液量が減って、十分な酸素と栄養素が行きわたらなくなります。そのため子宮内胎児発育遅延(「子宮内胎児発育遅延とは?」)になったり、子宮内死亡が起きたり、低出生体重児(「新生児の病気」)になるおそれがあります。胎盤機能が衰え赤ちゃんが危険になった場合は、早産の時期でも人工的に陣痛を起こさせるか、帝王切開で出産します。
 お母さんが子癇(突然全身にけいれんが起きて昏睡状態になる)を起こすと、母児両方の生命に危険がおよびます。そのときは緊急に帝王切開をします。また、常位胎盤早期剥離(「常位胎盤早期剥離」)の約4割は、妊娠高血圧症候群が原因で起こるといわれています。

おもな注意

 ⇒ とくにつぎのような人は、注意しましょう。
 家族に高血圧が多い人、太りすぎの人、糖尿病や慢性腎炎の人、高齢出産の人、多胎妊娠の人、前回、妊娠高血圧症候群になった人、貧血で血管が弱っている人、濃い味つけが好きな人、仕事が忙しい人などです。

予防

 ⇒ つぎの注意事項を参考にして、生活を見直しましょう。
①塩分はひかえます。
②太りすぎは妊娠高血圧症候群の原因に。高脂肪、高糖質の食事はひかえます。
③青背魚や大豆食品など、高たんぱく食をとりましょう。
④散歩など、適度な運動をします。
⑤過労を避け、体を休めます。
⑥ストレスをためないようにします。
⑦妊婦健診をかならず受けます。
図「妊娠高血圧症候群予防の食事」
妊娠高血圧症候群予防には、塩分をひかえるのが大原則です。また、血管を強くし、太りすぎないために、高たんぱく・低カロリーの食事にします。

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