妊娠出産の不安解消 専門家Q&A 妊娠の不安解消
この記事を監修したのは…
堀口 貞夫先生
元愛育病院院長・産婦人科医師

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い…
>先生のプロフィールを見るこの記事を監修したのは…
堀口 雅子先生
元虎の門病院産婦人科医長、
元主婦会館クリニック医師

元虎の門病院産婦人科医長、現在、女性成人病クリニック副院長の傍ら、産婦人科医の経験を生かし、女性の心とからだの悩みにより添いながら活動している。著書に、夫の堀口貞夫さん(愛育病院元院長)との共著『夫婦で読むセックスの本』(N H K出版生活人新書)がある。
2020.1更新
アンケートに寄せられた妊娠出産の不安について、ご夫婦ともに産婦人科医である堀口貞夫先生と堀口雅子先生にお答えいただきました。
Q.出産が怖いです。不安を解消するコツはありますか?
もともとお産は怖いものです。それに対して怖さや不安があるとどうしても怖さは倍増してしまうもの。そんな時は、お産はどうなって進んでいくのかな?と事前に知っておくとよいでしょう。母親学級に参加してお産のことを知ったり、お友だちに出産体験談を聞いておくのもよいでしょう。いろんなことを知ることで、実際自分がその場になったとき、「ああこれが陣痛か!」、「○○さんは、陣痛には波があるから楽になったとき食事を取っておいた方がいいと言っていたな」など、きっと役に立つことがあるでしょう。お産のことを知るということは、お産の心構えにも役立ちますよ。
(堀口雅子先生)
Q.高齢出産の注意点を教えてください。
注意点は普通の初妊婦と基本的には同じですが、次の点が若い人と異なります。
- 胎児の異常の率が少し高まる
- 流産・早産率が少し高い。
- 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の発生率が高い
- お産の時間が長くかかることがある
一般的な妊娠中の注意をより厳密に守ることが大切です。特に高齢妊娠になる人は妊娠前に健康診断をしておいた方がよいですね。妊娠してから、血圧が高いのが発見されてというよりは、前もってわかっていた方が対処も早いし、覚悟もできます。
産後の授乳など育児の負担を強く感じると言う方が多いようです。
また、キャリアウーマンとして仕事を続けた方の場合、予定を立てててきぱきと仕事をこなした方の中には、予定どおり、育児書どおりにいかないことで焦ってしまわれる方があるように思います。子どもは子どものペースでしか育ちません。大人のペースに合わせようとしないことです。
(堀口貞夫先生)
Q.無痛分娩を検討しています。メリットとデメリットを教えてください。
無痛分娩は、麻酔を使った分娩のことです。無痛分娩でよく使われる硬膜外麻酔では、血圧が下がることが少ない、麻酔後の頭痛がほとんどない、長時間麻酔を続けられる、胎児に麻酔がかかることがない、などのメリットがある一方、技術的にも経験豊富な医師が必要、効果が期待したほどでないことがある、麻酔を効かせようとすると陣痛が弱くなることがある、などのマイナス面があります。
このように、分娩の経過の監視のほかに注意すべきことが増えること、その施設の勤務者が全員同じレベルで麻酔ができ分娩の経験がないと施設として「無痛分娩ができます」と言えないこと、すべてのお産の麻酔にタッチ出来るほど麻酔医の数がないことなどのために、日本では無痛分娩ができる施設が少ないのでしょうね。
(堀口貞夫先生)
