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妊娠中のつわりはいつまで続く?主な症状と対処法 妊娠初期

この記事を監修したのは…

堀口 貞夫先生

元愛育病院院長・産婦人科医師

堀口 貞夫先生

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い…

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2020.1更新

つわりの主な症状は?

妊婦さんのお腹に子どもが手を添えている写真

代表的な妊娠初期症状「つわり」。具体的には、むかつきや吐き気、嘔吐、唾液分泌の増加などの症状を示すものをいい、においに敏感になったり、食べ物の嗜好が変わったりします。妊婦さんの10人中8人までが、つわりを経験するといわれています。つわりは漢字で「悪阻(おそ)」と書きます。

つわりには、おなかが空くと吐き気が起こるために、常に何かを食べたくなると「食べづわり」ということもあります。そのほかの妊娠初期症状としては、吐き気以外にも、からだがだるい・眠い・イライラする・頭痛などもあります。そのつらい症状から「つわりはいつからいつまで続く?」と不安になる人も多いよう。先輩ママのつわりの体験談で症状や対処法をチェックしましょう。

つわりの原因は?

つわりの原因はまだ解明されていませんが、一番大きな原因は、ホルモンの変化によるものと考えられています。

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンによるもの

妊娠するとhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンの分泌が急激に増え、それが脳の嘔吐中枢を刺激するために吐き気が起こるといわれています。

黄体ホルモン(プロゲステロン)によるもの

妊娠すると、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が活発になるために、消化管のぜん動運動が妨げられて、胃腸の機能が低下して便秘になったり、肌荒れになるといわれています。

その他、精神的ストレスによるもの

つわりは本人の性格や周りの環境なども影響するといわれています。ママになることへの不安や、おなかの赤ちゃんへの不安、家庭環境への不安など、精神的なストレスからくるつわりもあるようです。

つわりがひどく体重減少や脱水症状を示す時は「妊娠悪阻」といわれます

妊娠中に激しい吐き気や嘔吐をもよおし、体重が5%以上減少する時は、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」といって、入院を必要とすることがあります。軽度の場合は脱水症状、尿たんぱく、尿中ケトン体の出現などの症状がみられ、ひどくなると肝機能の低下や不整脈、ビタミンB1不足のための脳障害(ウェルニッケ脳症)が起こることもあります。

妊娠中のつわりは当然のことと我慢し過ぎないで、すぐに産婦人科を受診しましょう。入院治療では、水分補給のために、静脈からブドウ糖液や電解質液などを点滴で投与したり、必要に応じて鎮静剤や制吐剤などの薬を投与します。脱水症状から回復して嘔吐が治まれば、刺激の少ない食べ物を少しずつ食べ始めることができます。

つわりはいつからいつまで続く?ピークは?

一般に、つわりは妊娠4週〜7週(妊娠2ヶ月〜3ヶ月)ごろに始まり、妊娠12週〜16週(妊娠4ヶ月〜5ヶ月)ごろに終わるといわれており、つわりのピークは妊娠8週〜11週とされています。しかし、これはあくまでも目安で、つわりは個人差が激しいために、妊娠期間中ずっとつわりのような悪心嘔吐が続く人もいれば、まったくつわりを感じない人もいます。

つわりの対処法は?

つわりは妊娠という生理的な変化に対する生体の反応なので、残念ながらつわりを根本的に治す方法はありませんが、つわりを軽くするコツはあります。つわりで苦しんでいる妊婦さんは、ぜひ試してみてください。

・気分が悪くなったら、すぐに休みましょう

・からだを締め付けず、リラックスできる服装を心がけましょう

・家族や周りの人に協力してもらいましょう

つわりの時期は、とにかく無理をしないこと。つわりのつらさを家族や周りの人に理解してもらい、家事や仕事などは、できるだけ協力してもらいましょう。

・積極的に気分転換をしましょう

精神的なストレスが原因で、つわりになることもあります。仲のいい友達と会っておしゃべりしたり、天気にいい日に外出したり、好きなことをして気を紛らわせるなどして気分転換することで、楽になることがあります。

つわり中の食事

つわりになると、「食べなければ」と思うだけで、負担に感じたり気分が悪くなったりするもの。つわりの時期の食事について紹介します。

食べられる時に、食べられるものを、食べられるだけ食べましょう

食卓のサラダの写真

妊娠初期(妊娠5週〜16週の頃)は、おなかの赤ちゃんは0.2mmから10cmほどに大きくなるだけですから、それほど多くの栄養を必要としていません。また、妊娠すると、赤ちゃんに必要な栄養は赤ちゃんに優先的に行くようになっています。葉酸などのビタミン摂取は欠かせませんが、それ以外はバランスよく食べられなくても大丈夫。食べられる時に、食べられるものを、食べられるだけ食べましょう。

おなかが空く前に、こまめに食べましょう

おなかが空くと、胃にむかつきを感じやすくなります。おなかが空く前に、できるだけこまめに食べるようにしましょう。1回に食べる量を少なくして、何度も小分けにして食べるのがポイントです。

枕元にすぐ食べられるものを準備しましょう

朝起きた時に吐き気を感じる人も多いようです。枕元にビスケットやクラッカーなど、すぐに口にできるものを準備して、目が覚めたら、寝たままの状態でちょっとつまんでから起きると、かなり楽になります。

水分をできるだけ補給しましょう

水分が不足して脱水症状を起こすと、尿の色が濃くなります。このような場合は、水分をまめに補給するようにしましょう。水分を摂るだけで気持ちが悪くなる人は、果物や生野菜など、水分が豊富な食べ物を食べるようにしましょう。

冷やしたものを食べましょう

食べ物の匂いや湯気が苦手という人は、冷蔵庫に入れて冷やしてから食べたり、アイスクリームやそうめんなど、のどごしのいいものがおすすめです。

市販のお総菜も上手に取り入れましょう

つわりの時期は、料理をつくるのも苦痛なもの。そんな時は、市販のお総菜も上手に取り入れましょう。また、信頼できる食材を提供してくれるコンビニエンスストアや定食屋を見つけて、「一汁三菜」に近い食事を摂るようにしましょう。

氷もおすすめ

水は飲めなくても、氷なら大丈夫という人も多いようです。ただし、妊娠中に「冷え」は禁物。からだが冷えすぎるほどたくさん摂るのは避けましょう。

アメをなめましょう

「唾液過多症」といって、つわりの時期に唾液の量が増えたり、唾液の味に違和感を感じることがあります。そんな時は、アメをなめたり、ガムを噛んだりすると、唾液を抑える効果があります。

家族に料理をつくってもらいましょう

「男子厨房に入らず」は昔の話。つわりの辛さを家族に理解してもらい、料理を手伝ってもらう、当番制にする、簡単につくれる料理はお任せるなど、お互いが協力し合えるよう話し合ってみましょう。

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