急を要する病気かどうかは、全身状態を見きわめて判断を
頭痛は、さまざまな原因で起こります。子どもで多いのは、かぜの症状の1つとして起こる頭痛ですが、髄膜炎(「髄膜炎」)など大きな病気の症状として現れる場合もあるので、気をつけなければなりません。
子どもが頭痛を訴えたら、安静に寝かせて、まず全身状態をみることが大事です。痛みの程度(泣きだすほど痛むのか、軽い痛みなのか)や痛みの経過(痛みはだんだん強くなっているのか、おさまってきたのか)、あるいは、発熱や嘔吐など頭痛以外の症状の有無なども、細かく観察してください。
赤ちゃんや幼児の頭痛のサイン
言葉で訴えることのできない赤ちゃんや小さな子どもの頭痛は、親が気づいてあげるしかありません。
つぎのようなようすがみられるときには、すぐに受診が必要です。
〈赤ちゃんの場合〉
①頭痛から非常にふきげんになり、はげしく泣く。またはぐったりする。
②顔色が悪くなる。
③おむつ替えや、抱き上げたときなど、首を曲げたり、足を曲げたりする。ときにはげしく泣く。
④大泉門(頭のてっぺんにあるやわらかい部分)が、かたくふくれあがる。
〈幼児の場合〉
①元気がなくふきげん。顔色も悪い。
②首をさわると痛がる。また、首がかたくて曲がりにくいことも。
くり返し起こす慢性的な頭痛
頭痛は大きくわけると、慢性頭痛と急性頭痛があります。慢性的な頭痛は、頭痛が起きていないときには元気ですが、いつの日かまた同じ頭痛をくり返すのが特徴です。
子どもに多い慢性頭痛には、つぎのようなものがあります。
■片頭痛…目の奥や側頭部などがズキズキ痛み、吐きけや嘔吐などをともなうことも少なくありません。体質的なものがたぶんに関係していて、家族に頭痛もちの人がいると、子どもにも同じ傾向が多くみられます(「片頭痛」)。
図「頭が痛いとき①」
親が頭痛もちだと、子どもに同じ傾向がみられることが多いもの。疲労やストレスで、片頭痛が起こることもあります。
■筋緊張性頭痛…精神的な不安やストレスによって、首筋や肩の筋肉がこって起こる頭痛です。はたらき盛りの成人によくみられる頭痛ですが、生活環境の変化から、最近では幼児でもこの頭痛が起こることがあります。
このほか、登校時間になると頭が痛いと訴える場合は、心因的な頭痛かもしれません。また起立性調節障害(「起立性調節障害」)でも頭痛が起こります。
病気が原因で起こる頭痛
図「頭がいたいとき②」
熱、せき、鼻みずなどがあれば、かぜによる頭痛でしょう。
めがねがあわないときや、副鼻腔炎(「副鼻腔炎(蓄膿症)」)など鼻の病気があるとき、またむし歯(「むし歯(齲蝕症)」)が原因で頭痛が起こることもあります。
小さい子どもでは、急性中耳炎(「急性中耳炎」)で耳が痛むときに、「頭が痛い」と訴えることが多いものです。
受診する
頭痛があるときは、かならず受診を
頭痛には、大きな病気が隠されていることもあります。元気そうにしていても一度は受診してください。
頭痛が長引いたり、痛みがひどくなるとき
受診後も頭痛がおさまらない、くり返し起こる、頭痛が日一日とひどくなる場合はできるだけ早く受診を。場合によっては脳波などの検査が必要です。
至急受診
はげしい頭痛、嘔吐、高熱があるとき
顔色が悪くはげしい頭痛、発熱、嘔吐がある場合は脳腫瘍(「脳腫瘍」)、髄膜炎(「髄膜炎」)、急性脳炎(「急性脳炎」)、急性脳症(「急性脳症」)などが疑われます。
また頭を強く打ったり(「頭を打ったときの応急手当て」)、もやもや病(「もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)」)などが原因で、脳の血管から急な出血を起こしたときにもはげしい頭痛、意識障害などがみられます。さらに、頭痛に続いてけいれんを起こした(「けいれん・ひきつけの応急手当て」「ひきつけ(けいれん)を起こしたときの対処法」)ときも心配です。夜中でも大至急病院へ。
医師に伝えたいこと
発熱、嘔吐など、ほかの症状の有無と全身状態
頭痛が起こりはじめた時期
痛みの程度
どのくらい続いているか
痛み方に波はあるか
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。