どんな病気?
6か月から1歳半の乳幼児に多い病気です。かぜなどのとき耳管をとおして中耳に細菌が感染し、化膿性の分泌液がたまった状態です。症状
新生児や乳児は、耳だれがでてはじめてわかることがあります。生後6か月をすぎた乳児なら、痛みのためふきげんが続いたり、意思表示ができる子どもなら、痛みや耳の閉塞感、難聴を訴えることもあります。
かぜによる発熱や鼻汁があるときになりやすく、生後6か月から1歳半にもっとも多くみられます。その後は徐々に少なくなり、6歳をすぎるとまれになります。中耳炎は熱があるときによくみられますが、熱はかぜによるもので、通常は中耳炎だけで高熱はでません。ただ、炎症が広がり耳のうしろにある組織が化膿する急性乳様突起炎を合併すると高熱が続くことがありますが、ごくまれです(0.1%以下)。
原因
子どもの場合は、かぜなどのあとに、肺炎球菌やインフルエンザ球菌、モラキセラ・カタラーリスなどの細菌が耳管をとおして中耳に感染して発症します。また乳幼児では、滲出性中耳炎があるときにかぜをきっかけに急性中耳炎がくり返して起こることがよくあります。年長児では、かぜのときに鼓膜に強い痛みと充血をともなった鼓膜炎で発症し、その後、中耳に分泌液がたまるタイプの中耳炎が多くなります。
治療
軽症の場合は、3日間ようすをみます。そこで改善しない場合や中等症以上の場合に抗菌薬を5日間投与し、さらに改善しない場合は抗菌薬を増量して5日間投与します。海外の研究で、ふつうの中耳炎では鼓膜切開の有効性はないことがわかり、高熱が続いたり急性乳様突起炎などの合併症が疑われるときのみ行われる処置となってきました。ただ、抗菌薬投与で症状の改善が悪いときには、細菌検査のために鼓膜に穴をあける鼓膜穿刺を行い、適した抗菌薬の投与を行います。
乳幼児では、急性中耳炎が治ったあとに中耳に分泌液がたまったままの状態が続き、滲出性中耳炎に移行することが、よくみられます。急性中耳炎から移行した滲出性中耳炎の場合は、滲出性中耳炎と同様の治療を行います。
家庭でのケア
中耳炎は、かぜの流行する寒い季節に多くみられます。また、集団保育児がなりやすいことも知られています。ひんぱんにくり返すと不安になる保護者もいますが、成長とともに減る病気なので、過剰な心配は無用です。
また、急性中耳炎は、突然の耳痛で発症することがあります。深夜に痛みを訴えると、あわてて救急病院に来院する人も多いのですが、急性中耳炎は急を要する病気ではありません。通常は解熱剤(坐薬など)を投与すれば、30分程度で痛みはおさまります。
図「急性中耳炎・家庭でのケア」
深夜に耳漏がでて、中耳炎に気づいたときは、耳漏を拭きとり、厚めのガーゼをあてて、翌日受診しましょう。
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