ターナー症候群(たーなーしょうこうぐん)

どんな病気?

女性にのみみられる性染色体異常です。X染色体が1本しかないことが多く、低身長、二次性徴がこないといった症状が現れます。

症状


低身長が大きな特徴です。3歳ごろから標準身長との差が徐々に開きはじめ、5歳以上になると、95%に明らかな低身長がみられます。10〜13歳前に標準身長との差がもっとも開きます。治療をしない場合の最終身長は140cm未満といわれています。
 もう1つの大きな特徴は、多くの場合、月経や乳房のふくらみ、恥毛の発育などの二次性徴が現れないことです。ただ卵巣はあり、外陰部の形もふつうです。一部に不完全ながら、二次性徴が現れる人もいます。
 そのほか新生児期に、手や足の甲にむくみ(リンパ浮腫)がみられる場合がありますが、特別な障害はなく、多くは数週間〜数か月でなくなります。
 首の周囲の皮膚がたるむ翼状頸や、両手を下げて手のひらを前に向けると、肘から下が体から離れる外反肘も特徴的ですが、生活に支障はありません。
 知的障害はほとんどありませんが、心の発達は年齢にくらべて幼い傾向があるといわれています。中耳炎(「中耳炎」)や難聴(「難聴(乳幼児の難聴)」)、糖尿病(「小児糖尿病」)、橋本病(「甲状腺機能低下症」)、先天性心疾患(「先天性心疾患(心臓)」)、腎臓の形態異常、高血圧、骨がもろくて折れやすくなる骨粗鬆症などの合併症も起こりやすいので注意が必要です。

原因


もっとも多いのは、X染色体の1本がない場合です。X染色体は2本あっても、1本の一部が欠けていたり、輪になっていることもあります。
 ほとんどが突然変異で起こります。

検査と診断


新生児期にはわかりません。幼児期になって標準よりも著しく身長が低い、思春期になっても二次性徴が現れないなどのときに疑います。確定するために染色体検査を行います。

治療


低身長は成長ホルモン剤を注射することで、標準身長に近づけることができます(「成長ホルモン分泌不全性低身長症」)。
 また、周囲の女子の思春期からあまり遅れない時期に二次性徴が起こるように、女性ホルモンの薬を飲む治療をはじめるのが理想的です。徐々に女性ホルモンをふやしていくことで女性らしい体つきになり、月経がくるようになります。ただ卵子はつくれません。
グラフ「成長曲線の比較例(男子)」グラフ「成長曲線の比較例(女子)」

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