体のバランスを保つ機能がうまくはたらかないとめまいが起きます
私たちがまっすぐに立ったり、歩いたりできるのは、体を平衡に保つ機能が備わっているからです。
そしてこの平衡感覚をつかさどるのが、耳の奥にある内耳の器官で、ここから送られた信号は、体のコントロールタワーである中枢神経系(脳と脊髄)が受けて、全身の各器官にいきわたります。
ところがなんらかの原因で、これらの場所に障害が生じると、体の平衡感覚が保てなくなります。これが、めまいです。
めまいには、自分の体や周囲のものがグルグル回るように感じられたり、体がふらついたりする症状があります。
一方、立ち上がった瞬間に目の前が急に暗くなったり、一瞬意識が薄れるなどの症状があるものを
子どもに多くみられるのが、起立性調節障害による立ちくらみです
子どもに多いのが、起立性調節障害(「起立性調節障害」)によって起こる、立ちくらみや脳貧血です。
起立性調節障害は、小学校高学年から思春期にかけてみられるもので、自律神経失調症の1つです。
自律神経は、立ち上がったときに下半身の血管を収縮させ、上半身に十分な血流がいくように調節していますが、自律神経失調症になると、この切り替えがうまくいきません。そのため脳にいく血液が一時的に減って、立ちくらみがしたり朝礼のとき脳貧血を起こしたりするのです。
たいていは、成長とともに症状も解消しますが、主治医に相談して、治療や体質改善のアドバイスを受けておくとよいでしょう。
また鉄欠乏性貧血(「鉄欠乏性貧血」)や過換気症候群(「過換気症候群」)のとき、疲れているときや不安があるときに、めまいや立ちくらみを引き起こすことがあります。
図「起立性調節障害」
学童期から思春期に多いのが起立性調節障害。長時間立ち続けていると、脳貧血を起こしたりします。
耳の病気や、脳など中枢神経の異常で起こるめまいがあります
めまいはおもに、内耳などの耳の病気、また脳や脊髄などの中枢神経の異常から起こります。
子どもの場合、耳の病気では幼児難聴(「難聴(乳幼児の難聴)」)、中耳炎(「急性中耳炎」)などがあります。
一方、めまいを起こす中枢神経系の病気には髄膜炎(「髄膜炎」)、急性脳症(「急性脳症」)、てんかん(「てんかん」)、脳腫瘍(「脳腫瘍」)、頭部外傷による頭蓋内出血(「頭を打ったときの応急手当て」)など、さまざまな原因があります。
受診する
くり返し起こすとき
ほかに症状がなく、一時的におさまるめまいなら、さほど心配はありません。
しかしたとえ一時的であっても、めまいをくり返す場合には、なにか病気が隠されているのかもしれません。本人が元気そうにしていても、受診してください。
耳の病気が疑われるとき
耳が痛む、難聴の傾向があるといったときは、耳の病気が疑われます。
至急受診
全身状態が悪く、嘔吐、けいれん、頭痛などがあるとき
嘔吐やけいれん、頭痛など脳の病気が疑われる症状があるときは心配です。顔色が悪く、ぐったりしているなど全身状態が悪いときには、救急車を呼ぶなどして大至急病院へ。
脳貧血で倒れて意識がもどらないとき
脳貧血で倒れたときは、頭を低くしてしばらく安静に寝かせていると、回復することが多いものです。しかし、なかなか意識がもどらない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
医師に伝えたいこと
すぐにおさまったか
嘔吐、頭痛などほかの症状の有無と全身状態
事故で頭を打ったり、首をけがしたことがあるか
耳の病気をしたか
めまいがあったとき、きちんとすわっていられたか
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。