どんな病気?
気管支がせまくなる病気で、息をするとき、ゼーゼーヒューヒューと音がします。自然に治る例も多数あります。
症状
分泌物(たん)が多い湿ったせきをし、内腔がせまくなった気管支を空気がとおるときに、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴が聞こえます。これをぜんそく発作と呼びます。軽症の場合は、せき込みだけで、生活面にはほとんど影響がありません。
しかし、症状がすすむと、喘鳴が強くなり呼吸がつらくなります。肩で息をしたり、小鼻をぴくぴく動かして呼吸をしたり、胸をへこませて息をする陥没呼吸がみられるようになり、呼吸困難を起こすこともあります。疲れやすく、ふきげんで、食もすすまない、遊びも好まなくなるなど、生活面にも重大な影響が現れます。
症状がさらに重くなると、息が吐き出せない苦しさを覚え、起き上がって呼吸せざるを得ない起座呼吸が生じます。とくに、明け方に発作が起こりやすく、チアノーゼを起こし、生命にかかわるような緊急事態になることもあるので、要注意です(「チアノーゼ」)。
原因
生まれつきアレルギーを起こしやすい素因をもったアトピー体質に加え、アレルゲンを吸い込むと、気管支の粘膜にある肥満細胞がアレルギー反応を起こし、ヒスタミンなどの物質を遊離させます。これが気管支を収縮させ、粘膜をはらして内腔をせまくしたり、分泌物をふやして、呼吸困難を発症させます。
それと同時に、炎症を起こす白血球の一種の好酸球やリンパ球などが気管支に集まり、ますます症状を悪化させます。
また、気管支は自律神経のはたらきで、気道を拡張したり(交感神経)、収縮させたり(副交感神経)しています。ストレスにより自律神経のバランスがくずれたりすると、気管支を収縮させる副交感神経の調整機能が優位になり、気道が閉じやすくなって、発作が起こりやすくなります。
そのほか、梅雨期や台風前後のように気象条件が変わったときや、ランニングなどのはげしい運動によって、ぜんそくが悪化する子どももいます。
治療
IgE・RAST検査や掻爬検査などによりアレルゲンがはっきりすれば、原因を除去したり、回避します。
発作に対しては、気管支のけいれんをしずめ、気道を拡張し、むくみやたんなどの分泌をおさえる治療をします。
年に数回、小さな発作が起こる軽症のぜんそくには、抗アレルギー剤と気道を拡張させるテオフィリンなどの薬を内服します。発作のときは、気道を広げる薬を吸入させ、さらにひどいときは、ネオフィリンを点滴します。
年に数回、大きな発作が起こる中等症のぜんそくには、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の吸入を行うこともあります。
月に数回大きな発作が起こるような重症のぜんそくには、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)の吸入を徹底させますが、内服薬や吸入で軽減しない場合は、長期入院を考える必要もでてきます。
アレルゲンがはっきりしているケースでは、減感作療法を2~3年持続して行い、免疫をつける方法もありますが、いまではあまり行われていません。
家庭でのケア
発作時の薬の使用や処置のしかたについては、あらかじめ医師の指導を受けておきましょう。
一般に、発作が起きたときは、コップ1杯の水を飲み、衣類をゆるめ、上半身を起こして起座呼吸にすると、らくになります。
しかし、呼吸困難が長引いたり、かぜなどの感染症にかかったときは、悪化するおそれもあるので、なるべく早く受診しましょう。
また、発作がひどくなると、薬の吸入もできなくなります。発作がはじまったときには、できるだけ早く吸入させるのがコツです。
なお、日常生活では、薄着に慣れさせて皮膚を丈夫にしたり、水泳などの運動で体力や呼吸筋をきたえましょう。
過保護にしてはいけませんが、子どもに、いつ発作が起こるかもしれないという過度の不安を与えてもいけません。神経質にならずに、心の安らぎを保って、親子でぜんそくを克服していきましょう。

発作が起きたときは、上半身を起こすと、呼吸がしやすくなります。
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