どんな検査をするかは、病気や症状によって異なりますが、いくつかの検査を組み合わせて総合的に判断します。
尿検査
●どんな検査?
専用のコップに深さ2~3cmの中間尿(女性が知っておきたい正しい尿検査の受け方)を採取します。妊娠判定のほか、ホルモン分泌や排卵日の調査、細菌の有無、尿路感染症などを調べます。
●わかること
ゴナドトロピン(hCG)という胎盤の絨毛組織から分泌されるホルモンが検出された場合は、妊娠していることになります。また、妊娠中は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)(妊娠中期・後期のトラブルと対処法)を早期発見するために、尿糖や尿たんぱくも調べます。
血液検査
●どんな検査?
腕の静脈から注射器で血液を採取。内診や尿検査で異常の原因がわかった場合はしないことも。
●わかること
血液検査ではホルモンの状態や、B型肝炎、エイズ(本人の了承がある場合のみ)、梅毒などセックスで感染する病気の有無もわかります。
そのほか、子宮や卵巣のしこりが良性か悪性かを見分けるために、血液中の腫瘍マーカーを調べることもあります。腫瘍マーカーとは、腫瘍の組織から分泌される特定の物質をいい、なかでも卵巣がんのチェックに用いられる「CA-125」という腫瘍マーカーは、子宮内膜症や子宮腺筋症がある場合も、卵巣がんよりも低い値ですが、数値は上昇します。
また、血液検査は、風疹や貧血、肝機能検査など、一般検査として広範囲に行われます。
超音波検査
●どんな検査?
からだに超音波を当てて、はね返ってくる反射波(エコー)を画像化して体内の状態を調べます。エコー検査、超音波断層撮影ともいわれます。超音波を発する探触子(プローベ)をおなかの表面にあてる(経腹)方法と、腟に挿入(経腟)して見る方法とがあり、後者のほうがより鮮明に子宮や卵巣の状態を観察できます。
●わかること
子宮や卵巣の位置、大きさ、子宮筋腫や子宮内膜の異常、卵巣腫瘍、妊娠の有無などがわかります。また妊娠中は、胎児のようすも見ます。ほかに、乳房にしこりがあるかどうかもわかります。
おりもの(腟分泌物)検査
●どんな検査?
おりものの異常、外陰部の痛みやかゆみなどがある場合に行われます。腟内に腟鏡を入れ、綿棒でおりものを軽くぬぐって採取。その後、おりものを顕微鏡で見たり、培養検査をして原因となる菌などがいるか、またそれがなにであるかを調べます。
●わかること
原因菌が特定できれば、感染していることがわかります。
そのほかの検査
●細胞診
子宮がんや子宮内膜の検査、また、不妊の原因調査でも用いられます。
子宮頸がんの場合、長い柄のついた綿棒などで子宮の入り口(子宮頸部)付近の細胞を少しこすりとって調べます。痛みはほとんどありません。
子宮体がんや、不妊の原因を調べるときは、子宮内に細い器具を入れ、子宮内膜の細胞をこすりとって調べます。子宮体部の細胞診では器具の改良がすすみ、痛みはかなり軽減されていますが、出産経験のない人や痛覚の強い人には麻酔をかけて行うこともあります。
●腟拡大鏡(コルポスコープ)検査
双眼鏡のような装置で子宮頸部を拡大し、肉眼で見えない微細な病変を直接調べます。腟や子宮頸部の細胞診で、前がんが疑われる場合に行われます。
●子宮鏡検査
胃カメラのような子宮鏡を子宮の中に入れ、子宮筋腫や子宮体がんなどの病変のようすをくわしく調べます。
●MRI(磁気共鳴画像)検査
体内の磁気に対する共鳴作用を利用して、からだのいろいろな部分の状態を縦、横、斜めなどあらゆる角度から画像として映し出す方法。子宮内膜症、卵巣腫瘍、卵巣がんなどの場合に行われますが、これにより、病変がどの位置にどのような状態で起こっているか、ほかの臓器との位置関係などがくわしくわかります。放射線を使わないので、生体への特別な影響はありません。
●腹腔鏡検査
全身麻酔でおへその下に小さな穴をあけ、そこから先端にレンズのついた器具を入れて行う検査。腹腔鏡に映し出されたおなかのようすをモニター画面で見ながら調べます。病巣組織を微量採取して、病理的に診断することもあります。子宮内膜症、卵巣出血、不妊症などに行われます。とくに子宮内膜症は、確定診断のために必要に応じてこの検査が行われます。
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