どんな病気?
肝臓の細胞が破壊されて、肝臓がかたくなる病気です。肝臓への血液の流れが悪くなるため、十分な酸素と栄養が供給されなくなり、肝臓の機能が低下します。
症状
初期のうちは慢性肝炎と同様に、全身倦怠とか食欲不振程度で、これといった自覚症状はありません。やがて、月経異常や、手のひらが赤くなる手掌紅斑、首すじや胸、肩、腕のつけ根にクモ状血管腫という赤い斑点がでることがあります。
病気がすすむと白目が黄色くなるなど黄疸が現れ、むくみがでたり、腹水がたまっておなかがふくらんだり、手が鳥の羽のようにふるえる「羽ばたき振戦」なども現れてきます。さらに進行すると、食道の静脈が太く変化してできた食道静脈瘤が破裂して生命にかかわる危険な状態になります。
原因
日本ではC型肝炎ウイルスによる肝硬変がもっとも多く、全体の約7割近くを占めます。
B型肝炎ウイルスから起こるものは約1割です。最近ふえてきているアルコールによる肝硬変(アルコール性肝障害)は、全体の1割強を占めています。
そのほか自己免疫の異常で起こる自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変、先天性代謝異常などで起こることもあります。
治療
肝臓は再生力が旺盛な臓器なので、初期の段階でウイルスや原因となるものを排除できれば治ることがあります。しかし、ある程度進行した肝硬変になると、もとにもどすのはむずかしくなります。
自覚症状がないあいだはふつうに日常生活を送ることができますが、黄疸や腹水などがみられた場合は入院が必要になります。症状によって治療法が異なりますが、肝機能を安定させる薬や肝臓の炎症を抑える薬、腹水は、利尿剤やたんぱく製剤などを投与して改善をはかります。そして、肝硬変の三大死因である肝(臓)がん(肝(細胞)がん、肝不全(なんらかの原因で肝臓の細胞が破壊され、肝臓の機能が著しく低下したため、意識障害、黄疸、腹水、消化管出血などの症状が現れた状態のこと)、食道や胃の静脈瘤を含む消化管からの出血などの合併症を予測して、早期に対応していきます。定期的な超音波検査や内視鏡検査が、これらの合併症の早期発見には重要です。
あなたへのひとこと
自覚症状のない時期は、バランスのとれた食事と過労にならない注意がたいせつです。
家事は家族で分担し、部屋の片づけなども休み休み行って、無理をしないこと。仕事を持っている女性は、残業や出張も避けたほうがよいでしょう。
昼寝や食後30分ほど横になる習慣も肝臓の休養になります。運動は、心地よい疲労感がめやすです。腹水やむくみがあるときは、安静を保ち、塩分をひかえた食事にします。
運動もはげしい動きは避けて、ストレッチ体操くらいにとどめます。また便秘も厳禁。便秘になって、たんぱく質が腸内に長くとどまると、アンモニアを発生させて肝性昏睡の原因になるからです。食物繊維の豊富な食品をとり、排便のリズムをつけて、便秘にならないようにしましょう。
肝性昏睡は肝硬変などの劇性肝炎などが進行して、肝不全になった際にみられる、意識障害などを主とする精神神経症状です。イライラなどの軽症から昏睡状態になる重篤なものまであります。
たんぱく質は、動物性より脂肪やコレステロールが少ない植物性のものをとるようにしましょう。お酒は禁酒が原則。男性と同じ量を飲んだ場合、女性のほうが早い時期に肝硬変になるといわれています。
ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。
掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。