どんな病気?
本来はしなやかで弾力性のある動脈壁が、かたくなった状態です。初期の症状はなく、進行すると血液の流れが悪くなり動脈の流域の臓器に影響が現れます。動脈壁に生じる病変によって三つのタイプがあります。
●粥状硬化(アテローム硬化)
内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔がせまくなる状態です。比較的大きな血管に起こりやすく、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞(脳卒中のいろいろ)、大動脈瘤などを引き起こします。
●中膜硬化
中膜にカルシウムが沈着して石のようにかたくなる石灰化が起こるもので、比較的大きな血管にみられます。病気を誘発することはほとんどありません。
●細動脈硬化
比較的小さな血管にみられる硬化で、脳梗塞、脳出血(脳卒中のいろいろ)、腎硬化症(原因のわからない高血圧症にともなって、腎臓の表面に小さなブツブツができ、腎臓が、かたく小さくなる病気。進行すると腎不全を引き起こします)などを引き起こします。
症状
かなり進行してからでないと症状は現れません。動脈硬化の場所によって症状もちがってきます。
・脳動脈硬化の症状
めまい、のぼせ、頭重感、耳鳴り、手足のしびれ、舌のもつれ、手足のマヒ、ひどい物忘れなどで、多くは脳出血、脳梗塞の際に起こります。
・冠状動脈硬化の症状
胸の圧迫感、胸痛、動悸、息切れ、むくみなどで、狭心症や心筋梗塞の際に起こります。
・腎動脈硬化の症状
高血圧、頻尿や夜間の排尿回数の増加など尿の異常で、腎硬化症の際に起こります。
・末梢動脈硬化の症状
動脈硬化を起こした側の手足の冷感、歩くときのはげしい痛み、脈拍がふれにくいなど。
・大動脈硬化の症状
胸にうずくような痛みを感じることもありますが、症状がないこともあります。
原因
動脈硬化の危険因子を参照。
検査
血圧測定、血液検査、心電図などによる心臓の検査、胸部や腹部のX線検査、眼底検査なども動脈硬化の進行状態を知るのに重要な検査です。
治療
運動療法と食事療法を行います。それでも動脈硬化の進行が改善できないときには、薬物療法を行います。
食事療法の基本は、コレステロールの多い食品を食べすぎない、動物性脂肪を少なく植物性脂肪や魚類の脂肪を多めに摂取する、大豆などの植物性たんぱくを適宜とる、食物繊維を積極的にとる、糖分をとりすぎないなどです。
あなたへのひとこと
女性ホルモンには、血中の総コレステロール値を抑える作用があり、女性は閉経まで男性より若い血管を保つことができます。しかし、更年期以降、女性ホルモンが不足してくると、コレステロール値が高くなり、動脈硬化を起こしやすくなります。積極的に予防・対策を。
動脈硬化症についてもっと知る
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