切迫流産・切迫早産(せっぱくりゅうざん)

流産・早産にならないためには安静が大切


どんなトラブル?

 ⇒ 切迫流産は、妊娠22週(6か月)未満で、流産の兆しはあるけれど、まだ流産を止められる状態。切迫早産は22週以降37週(10か月)未満で、早産になりかかっていますが、まだ早産を止められる状態です。

赤ちゃんへの影響

 ⇒ 切迫流産の場合、安静にして流産が防げれば、赤ちゃんは無事に生きられます。切迫早産の場合も、早産にならなければ、胎児の生命を維持することが可能です。
 しかし子宮収縮が陣痛のように強くなり、規則的になって早産する場合があります。また赤ちゃんの状態が悪ければ、人工的に陣痛を誘発して早産させることもあります。
 早産の赤ちゃんでも育つ可能性はありますが、胎内にいた週数が短いほど発育が未熟ですから、生存率は低くなります。また生存しても、赤ちゃんに頭蓋内出血(「新生児の頭蓋内出血」)や黄疸(「生理的黄疸」)などの異常が起こりやすくなります。

対応

 ⇒ 切迫流産も切迫早産も、子宮からの出血や、おなかのはりが兆候です。いつもとちがう異常なおなかのはりや出血があって、休んでもおさまらないときは、急いで病院へ。自宅安静といわれたら、体を休める時間を多くとることを心がけます。横になるときは、シムスの体位がらくでしょう。ただ個々の症状によって安静度がちがうので、具体的な注意点は医師にたずねます。
 重症のときは入院します。体質的に子宮口が開きやすい子宮頸管無力症の人は流産や早産をしやすいので、子宮頸管を結ぶ子宮頸管縫縮術を行います。
 切迫流産のときは安静が、切迫早産の場合は、安静にして子宮収縮抑制剤を投与するのが一般的な治療法です。
シムスの体位

 横向きに寝て、上側になった足を軽く曲げ、膝を下側の足の前につけます。ややうつぶせの姿勢になり、全身をリラックスさせます。
子宮頸管無力症

 子宮収縮がほとんどないのに子宮口が開いてくる病気で、流産、早産になる可能性があります。
子宮頸管縫縮術

 子宮頸管無力症の場合は、子宮口が開かないようテープなどで止め、臨月にテープを切ります。

予防

 ⇒ つぎのことに注意します。
①午前中と午後にそれぞれ30分~1時間、休息時間をとって体を休めます。また、十分な睡眠をとります。
②過剰な仕事や、夜遅くまでゲームをするなど、体にむりのかかることは、妊娠全期間にわたってひかえます。
③体の冷えは子宮を収縮させ、切迫流・早産の原因に。夏でもソックスをはくなど、体が冷えないように注意。
④重い荷物を持つと腹圧がかかるので、妊娠中は重いものを持たないこと。
⑤はげしい運動はひかえます。
⑥性感染症にかかるようなセックスをするのは厳禁です。

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