生理的黄疸(せいりてきおうだん)

どんな病気?


生後2~3日めから肌の色が黄色みを帯び、4~5日ごろピークになりますが、しだいに消えていきます。

原因


胎児は赤血球が多い多血症の傾向があり、赤血球が通常の1.5倍の17~18g/dlもあります。
 生まれると赤血球はどんどんこわされていきますが、それを処理する肝臓の機能がまだ十分ではありません。そのため、赤血球がこわされるとできるビリルビンが血中に多くなります。このビリルビンの色が黄色いために、肌が黄色くなってきます。
 こういった生理的黄疸は、90%前後の新生児に起こります。

治療


ほとんどの場合、自然に消えていくので、治療の必要はありません。ビリルビン値がさらに上昇していくかどうか、毎日測定してようすをみます。

そのほかの黄疸


遷延性黄疸


 生後2週間以後も黄疸が続くものをいいますが、母乳を与えていると2週間以上続くのはめずらしくありません。最近では、この病名は使われない傾向にあります。

母乳性黄疸


 母乳の中には、肝臓の酵素のはたらきを妨げる女性ホルモンが多く含まれるため、母乳栄養の新生児は黄疸が長く続きがちです。2週間を超え、1か月健診でも黄疸が残っていることはよくあります。ビリルビン値が高くなく、上昇しなければ心配いりません。

新生児溶血性黄疸


 母子間で、血液型不適合(たとえばRH-とRH+、O型とAまたはB型など)があると、胎児の赤血球に対する抗体が母体にできます。それが胎児に移行すると、胎児の赤血球がこわされるため、胎児の血中のビリルビンが上昇します。これが急激に起こると、重症の黄疸をもたらします。最悪の場合は胎内で死亡することもあります。
 治療は、体に光線を当ててビリルビンの処理をうながす光線療法が行われ、それでもビリルビン値の上昇が止まらない場合は、交換輸血(全身の血液を交換する)が行われます。

核黄疸


 黄疸が重症になって、ビリルビンが脳の神経細胞にたまる病気です。脳細胞がダメージを受けるために、脳性まひ(「脳性まひ」)を起こします。
 現在では、黄疸から核黄疸に移行するのをくい止めるため、出生後は毎日ビリルビン値の検査をし、値が高くなれば予防的に光線療法や交換輸血を行っています。その成果で、核黄疸はほとんどみられなくなりました。

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