どんな病気?
胎児期や新生児期のころの脳の病気のために、姿勢や運動に異常がみられる非進行性の病気です。症状
抱くと、なんとなく体がやわらかい、または、つっぱりが強いことがあります。ものを飲み込むのがへたで、しばしば嘔吐したり、弱々しい泣き声をあげます。さらに、首がなかなかすわらない、体の一方を動かさない、原始反射(「新生児期の体と心の発達と日常のケア/原始反射がみられる」)が消えない、おすわりがなかなかできない、歩かないなど、乳児期の発達の遅れがみられます。
こうした遅れだけで脳性まひと断定することはできませんが、時間の経過とともに、しだいに症状がはっきりしてきます。
ものをつかもうとすると、手の伸ばし方や曲げ方などの筋肉の調整がうまくいかず、目的を達することが困難になってくる、というような症状がでてくると、判定もはっきりします。
一般に、重度の脳性まひほど早く症状が現れます。重度のケースは生後1〜2か月ころ、中等度では生後3〜4か月、軽症では生後6〜10か月ころに、発見される場合が多いとされます。
なお、脳性まひに知能障害がかならずしもともなうとはかぎりません。しかし、てんかん、行動障害、言語障害、認知障害などをともなうことが少なくありません。
原因
かつては、分娩障害や血液型不適合による核黄疸が原因となるケースが多かったのですが、医療の進歩によって、これらが原因の脳性まひは、減少しました。また、出生体重が1000g未満の超低出生体重児、1500g未満の極低出生体重児の低酸素性脳症からくる脳室周囲白質軟化症(「脳室周囲白質軟化症」)による脳性まひも減少してきました(「低酸素性脳症」)。
分娩によって発症した脳性まひに対しては、産科医療補償制度による補償が行われています。
治療
軽い脳性まひならば、80〜90%は目立たなくなり、歩行もできるようになります。しかし、重症になるほど体を移動させる能力は落ちて、寝たきりになるなど、重症度によって症状の強さに大きな幅があります。脳性まひと判定されたら、地域の療育センターなどの専門の施設で運動機能訓練を行い、関節の変形を予防します。


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