予防接種に関する素朴な疑問(よぼうせっしゅにかんするそぼくなぎもん)

任意接種は自費ですし、受ける必要があるのかどうか迷っています


予防できる病気は、積極的に予防接種を受けることをおすすめします


 任意接種の対象の病気が、定期接種対象の病気にくらべて感染しにくく、症状が軽いということではありません。国の政策上、定期接種に入ってないだけです。重い合併症を起こして死亡したり、後遺症が残って一生つらい思いをする人がいることは事実です。任意、定期にかかわらず、予防接種を受けて、病気を予防したほうが賢明でしょう。
 任意接種は、役所からのお知らせが個人に届きません。受けそびれないようにスケジュールをたてましょう。

予防接種を受けるのは早いほどいいと聞きますが、副反応が心配


副反応の強さは、年齢と関係ありません。早く受けるのが原則です


 月齢が低い赤ちゃんのほうが、年齢の高い子より、副反応が強くでやすいということはありません。実際、欧米では生後2か月から予防接種を行っています。予防接種は病気にかかる前、つまり、なるべく早い時期に受けるのが原則です。
 ただ、はしかは、お母さんからの免疫があるうちは予防接種の効力がないので、一般的には1歳の誕生日がすぎたころに接種するのが効果的です。
 また、百日ぜきのように、乳児期の赤ちゃんがかかると重症になる病気は、接種の対象年齢になったら、できるだけ早く受けましょう。
 BCGについても、乳児の結核は重症になりやすいので、早い時期がおすすめです。
 なお、保育園などで集団生活する場合も、いろいろな病気に感染しやすいので、早めに接種をすませておきます。

夏は疲れやすいので、予防接種は受けないほうがいい?


むしろ冬、かぜがはやっている季節のほうが接種を避けたい


 昔は衛生状態がよくなかったため、予防接種法で、はしかの予防接種は夏季を避けると決められていました。それが、夏は避けるという考え方として残っているのでしょう。医学的にはなんの根拠もありません。個別接種が基本になった現在では、季節に関係なく、体調がよいときに接種を受けるのが原則です。
 しかし、かぜ(「かぜ症候群」)が流行する冬は、体調をくずしやすいので、わざわざその時期に接種することはないと思います。その点、夏はかぜをひくことも少なく、夏休みは、子どもといっしょにすごす期間が長いので、接種後、子どものようすをしっかり観察できるという利点もあります。

子ども時代に予防接種をしないで、大人になってかかると重症に?


予防接種を行う病気は、自然感染すると、どれも重くなります


 予防接種の対象になっている病気は、実際にかかると、命にかかわることが多い病気ばかりです。ことに大人になってからかかると、症状がより強く現れて重症感があります。高熱が続き体の倦怠感、食欲不振などで入院が必要になるケースもでてきます。とくに、はしか(「はしか(麻疹)」)や水ぼうそう(「水ぼうそう(水痘)」)は、肺炎(「肺炎」)を起こしたり、脳炎(「急性脳炎」)など後遺症を残す合併症を引き起こすこともあり要注意。予防接種は、対象年齢になったら早めに受けることが大切です。

転勤で引っ越す予定。接種年齢やスケジュールなど注意する点は?


引っ越し前に、あらかじめ先方の役所に問い合わせて調整する


 あらかじめ転勤先の役所に問い合わせて、予防接種の体制を調べておきます。通知法や問診票がどうなっているのか、予防接種の対象年齢、それぞれの接種が集団接種か個別接種かなどを聞いておきましょう。先方の予防接種のスケジュールがわかれば、それに合わせて、引っ越す前になにをすませておくのかを決めればいいでしょう。

海外旅行にいくときは、どんな予防接種を受ければいいの?


短期間の観光旅行であれば、ほとんど接種を受ける必要はない


 アメリカやヨーロッパなど、いわゆる先進国への2週間程度の観光旅行であれば、予防接種は必要ありません。ただ、開発途上国などでは、国によっては予防接種を要求されることがあります。その場合は、ワクチンをあらかじめ日本で接種しておかなければ入国できません。

海外に転勤します。予防接種はどうしたらいいのでしょうか?


あらかじめ行き先の大使館などに問い合わせる


 まず、日本で受けることができる接種をすべて受けておきましょう。それには半年間はかかるでしょう。
 国によって受ける予防接種が異なるので、旅行先の大使館や海外青年協力隊に問い合わせて、予防接種のシステムとスケジュールを調べておきます。
 アメリカなどでは、予防接種の回数が日本とちがい、回数が足りないと学校に入学できない場合もあります。また、どんな予防接種を何回受けたかがわかる「予防接種証明書(英語の記載が必要)」や母子健康手帳などを持参することを忘れないようにします。

同じワクチンでも、メーカーにより成分や副反応がちがう?


成分も副反応も微妙にちがうが、気にすることはないでしょう


 ワクチンの成分規定には幅があり、その範囲内であれば問題ないとされています。そのためメーカーによって、ワクチンの成分や添加物が多少ちがってきます。当然、副反応に微妙な差がでてきます。しかし、以前に接種後、アナフィラキシー・ショック(「アナフィラキシー・ショック」)などを起こしたことがなければ、そう神経質になることはありません。

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