どんな病気?
大腸がんは、がんが発生した部位によって、大きく結腸がんと、直腸がんに分かれます。もっとも多くみられるのは直腸がん、ついでS状結腸がんです。
原因
高脂肪、繊維不足の食事が原因といわれます。肉類やバターなど脂肪の多い食べ物をとりつづけると、腸内で胆汁酸や腸内細菌がいろいろ作用し合って発がん物質をつくり、それが大腸の粘膜と長い時間接触するうちに、がんを発生させるという説もあります。
また、大腸ポリープの1割前後には、すでにがんが存在しているといわれ、がんのないポリープも、のちにがん化する可能性があります。
予防・発見
便秘をしない規則的な排便習慣をつけることがたいせつです。さらに年1回、便潜血検査を受けましょう。とくに、血縁者に大腸ポリープやがんにかかった人がいる場合には、若くても検査を受けるようにします。
結腸がん
大半はS状結腸に発生します。かぎられた範囲にだけ発生する場合が多く、ほかの消化器のがんにくらべて、手術で治せる可能性が高いものです。
症状
血便が出るのが特徴です。便に血がついている、便と血液が混じっている、赤い血液だけが出る、排便後、肛門をふいた紙に血液がつくなど、血便のようすはいろいろです。
S状結腸がんでは、それまでの排便習慣が変わり、便秘や下痢が起こりやすくなります。
がんが大きくなって腸管がせまくなると、腹部の張りや腹痛が生じます。さらに進行すると、貧血や全身衰弱がみられるようになります。
結腸のうち、腹部の右側に位置する部分にできたがんでは症状が現れにくいのですが、貧血や黒色便で発見されることがあります。右側結腸では、腸の内容物がまだ水分の多い状態なので、がんができても、通過障害が起きにくく症状が現れにくいのです。また、がんができて出血すると、小腸から流れてきた消化酵素や腸内細菌の影響により、血液が暗紫色に変化するために、黒色便がみられるようになります。
検査と診断
血液検査、大便の検査、注腸X線検査、大腸内視鏡検査、超音波検査、CT検査などを行います。
治療
完治には手術が必要です。がんの部位を中心に腸を切除します。ごく初期であれば、内視鏡によるがん病巣の切除ですむ場合もあり、腹部を大きく切らずに、腹腔鏡を入れて手術をする場合もあります。抗がん剤や免疫強化剤などの薬剤療法を手術と併用したり、単独で行うこともあります。
直腸がん
症状
便に赤い血液と粘液が混じることが多く、便秘が起こったり、便秘と下痢を交互にくり返す症状がみられます。また、ひんぱんに便意が起こるのに便が少ししか出ないしぶり腹が生じたり、便が細くなることもあります。
直腸にがんができると、便が通りにくくなって、便秘が起こりやすくなるのです。逆に、無理に便を押し出そうとすると、大腸から水分がさかんに分泌され、下痢になることもあります。
検査と診断
肛門に指を入れる指診で、約半数は腫瘍が指にふれて診断がつきます。指診のほかに、血液検査、注腸X線検査、直腸内視鏡検査、超音波検査、CT検査などを行います。
治療
完治には手術が必要です。肛門に近い場所にできた直腸がんの場合は、肛門を含む直腸周囲を切除して、左下腹部に人工肛門をつくります。
がんが肛門から離れている場合には、直腸を周囲の組織とともに切除し、左側結腸を直腸の切断端につなぎ合わせます。この場合は、肛門は残せるので、排便機能には影響しません。
あなたへのひとこと
ほかの医療と同様、大腸がんの治療の進歩は著しく、肺や肝臓に転移したケースでも、また高齢者であっても病状によっては、手術と化学療法の組み合わせで良好な状態を保てる人も多くなりました。
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