歯や口は命を育む鋭敏なセンサー
私たちは、食べ物から栄養を得て生きています。体に栄養を取り込むはたらきをする歯や口は、子どもの成長と健康の土台となるものです。
口の中に食べ物が入ってくると、形やかたさ、味などを敏感に感じとります。食べられないものは瞬時に判断して吐き出すこともできます。口や歯は、命を守り育てる鋭敏なセンサーのはたらきをする器官なのです。
食べること、話すことが口の大きな仕事です
口の中(口腔)は、歯とそれを支える歯槽骨、硬口蓋と軟口蓋、口蓋垂、舌、舌小帯と呼ばれるひだなど、さまざまな部位からできています。
口腔の第一の役割は、食べ物を摂取すること。歯でかみくだかれた食べ物を、ほお、舌、あごなどの運動によって唾液と混ぜ合わせるという、消化の第一段階をになっています。
さらに、味を感じたり、食べ物を飲み込んで食道へ送る、嚥下という大切なはたらきもしています。
第二の役割は、言葉を発音する器官であること。声帯で発した原音を、舌や上あご、歯、唇などを使ってはっきりした音声につくり変えます。
歯は見えないところも大切です
歯は、あごの骨の一部である歯槽骨に生えています。乳歯は20本、永久歯では28~32本生えます。永久歯の数に幅があるのは、第三大臼歯(親知らず)は、人によって生える場合と生えない場合があるからです。
口の中に白く見えている部分を歯冠、骨の中に入っている部分を歯根といいます。
歯冠の表面のエナメル質は、人の体の中でもっともかたい組織で、歯をしっかり守っています。この内側に歯の主体となる象牙質があります。
歯根の表面層をセメント質といい、歯根膜によってあごの骨とつながれています。歯根膜は、かんだときの感覚を神経から脳に伝えたり、衝撃をやわらげるはたらきをします。
歯のいちばん内部には歯髄があります。神経や血管がとおっていて、痛みや熱を感じとります。
小さいけれど健康の土台となる歯は、とても精密にできているのです。
歯には食べること以外にも重要なはたらきがあります
歯のいちばんの役割は、もちろん食べることです。鋭い前歯で食べ物をかみ切り、臼状の奥歯でくだいたり、すりつぶして、栄養を体に取り込みやすくします。
子どもの歯には、食べることのほかにもいくつかの大切な役割があります。前述したように、言葉を正しく発音すること、さらには、よくかむことによってあごの成長をうながしたり、顔の形や姿勢をととのえるなど、子どもの発育に深くかかわっています。
歯と口の中の健康は全身の発育のバロメーター
むし歯になったり口の中に異常があると、本来の機能が著しく低下してしまいます。成長に欠かせない栄養を効率よく取り込めませんし、言葉を正しく発音することもむずかしくなります。顔の形や姿勢にも影響します。
最近の調査では、子どものむし歯は減少傾向にあります。しかし、将来歯周病につながることもある歯肉炎、あごと歯の大きさの不調和が原因で歯ならびが悪くなる叢生(乱ぐい歯)、口をあけにくかったり痛みを訴える顎関節症などが、子どもにふえています。
やわらかい食品を好むことで、咀嚼力が落ちたこと、顎関節症ではストレスも原因の1つといわれています。
すこやかに成長するためには、幼少期から歯と口の中の健康をしっかり守ることが大切です(「歯の健康づくり」)。







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