鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)

どんな病気?

鉄分が不足して、ヘモグロビンの合成が低下するために起こる病気。子どもにもっとも多くみられる貧血です。

症状


軽い場合はほとんど症状を自覚することはなく、運動時に不調を訴える程度です。少し重くなると、顔色が悪い、疲れやすい、動悸やめまい、息切れがするといった症状が現れます。
 重症になると、注意力の欠如、興奮しやすいなどの症状が加わり、また、聴診で心雑音が聞かれるようになります。

原因


鉄分が不足してヘモグロビンの合成がうまくいかなくなるために起こります。鉄分が不足する原因は、いろいろあります。成長の過程からみてみると、赤ちゃんは胎内でお母さんから鉄分をもらって生まれてきます。しかし、母乳や牛乳には鉄分があまり含まれていないので、生後6か月ころになるとそれを使いはたしてしまいます。このとき、離乳食から鉄分を補給できないと、不足が生じます。またいわゆる未熟児は、もともとお母さんからもらってくる鉄分が少ないため、もっと早い時期に不足をきたします。
 思春期の急激な成長(思春期スパート)のころは、鉄分の需要が大幅に増加するため、相対的に供給不足となりがちです。とくに女子は生理がはじまるので、さらに鉄不足になりがちです。
 鉄分の少ない不適切な食事、あるいは胃潰瘍など消化管の出血性病変も、鉄欠乏性貧血の原因になります。

治療


鉄不足をきたす原因を調べ、それに対する治療をするとともに、鉄剤を投与します。

家庭でのケア


図「鉄分を多く含む食品」
ふだんから鉄分を多く含む食品をとるように心がけます。
 鉄分を多く含む食品には、動物性のものとしては赤身の肉や魚、レバー、シジミなどがあります。植物性のものとしてはノリ、大豆、ホウレン草、小松菜などがあります。これらの食品は、たんぱく質やビタミンCを含む食品、たとえばジャガイモ、ピーマン、オレンジなどといっしょにとると、さらに鉄分の吸収が促進されます。また、鉄鍋や鉄のフライパンで料理することも役立ちます。
 市販の牛乳は鉄分が少なく、吸収もよくありません。多飲(1日600mL以上。「鉄剤の適正使用による貧血治療指針改定第2版」)し、普通食の摂取量が少ないと起こることもあるので注意します。

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