妊娠中に注意したい感染症(にんしんちゅうにちゅういしたいかんせんしょう)


風疹


 赤い発疹が出てリンパ節が腫れ、発熱しますが、ふつう3日ぐらいでおさまります。感染しても、症状がはっきりでない人もいます(不顕性感染)。
 妊娠5か月までに感染すると、流産や早産、死産になったり、心臓の形態異常、感音性難聴、白内障緑内障、脳性マヒなどが起こる先天性風疹症候群になる可能性が高くなります。
 とくに妊娠4か月未満に感染すると、85%の赤ちゃんに、なんらかの影響がでるといわれています。
 6か月以降の感染では、先天的な形態異常が起こることはまれですが、白内障などは現れることがあります。
 また不顕感染の場合も、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性はあります。ただ発症率は低くなります。

あなたへのひとこと


 妊娠前に抗体の検査を受けておくと安心です。妊娠初期の抗体検査で抗体がないとわかった場合は、風疹患者に近づかない、流行期には外出しないなどを心がけてください。


その他の感染症


■水ぼうそう(子どもの感染症


 妊娠6か月までに感染すると、小頭症や手足の形態異常など先天性水痘症候群になることがありますが、発症率は2%以下と低く、ほとんど心配ありません。
 出産日の前後に感染すると、新生児が水ぼうそうになる可能性があります。感染すれば高熱がでて、肺炎や脳炎を起こし、死亡することもあります。
 母親が出産前後4日以内に発症した場合は、母か子に帯状疱疹免疫グロブリンを投与して、新生児の感染を予防する方法もあります。

■りんご病(伝染性紅斑)


 母親が感染すると、ウイルスは胎盤を通過して胎児の赤血球を破壊するので、妊娠初期は流産する可能性があります。
 妊娠中期以降の感染では、胎児が重症の貧血になり、全身がむくむ胎児水腫を起こすことがあり、多くの場合は死産になります。
 予防のワクチンはないので、流行期には外出しないようにします。

■かぜ・インフルエンザ


 母親が感染しても、胎児に異常がでることはまずありません。子宮内の温度は39度前後と高いので、胎児が高熱で苦しむことはなく、また、せき込んだために流・早産するという心配もありません。ただ感染すると母体がつらいので、人ごみは避けるなど注意します。


性感染症(STD/STI)


 性交によって細菌やウイルスなどに感染して起こる病気を、性感染症(STD/STI)といいます。B型肝炎は、性交でも感染する病気です。
 妊娠中に性感染症にかかると、炎症によって卵膜が破れ、破水が起こったり、子宮収縮がはじまって早産になったりします。また胎児にさまざまな影響がおよぶ可能性があります(性感染症の赤ちゃんへの影響と対処法)。
 妊娠中に完治すれば、出産時の産道感染は防げます。まず感染しないように予防し、感染したときは夫も治療しましょう。
 感染すると、おりものに兆候が現れます。おりものをチェックする習慣をつけましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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