血液中のヘモグロビンが不足することが原因
女性を悩ませるトラブルの定番ともいえるのが貧血。とりわけ鉄欠乏性貧血は、もっとも多く、成人女性の半数は、貧血か貧血の傾向があるともいわれています。貧血の最大の原因は、赤血球の中のヘモグロビンという酸素を運ぶ血色素の不足によるもの。貧血になると、からだが酸素不足におちいり、頭痛やめまい、動悸、息切れなどの症状が現れます。
ヘモグロビンをつくるには鉄分が必要なので、食事や鉄剤の服用などで鉄分を補えば貧血は改善されます。
女性は鉄分が不足しがちです
女性に貧血が多い原因の第一は、毎月の月経によって血液を失うことがあげられます。そのほか、野菜だけの食事など栄養バランスを無視した自己流のダイエット、偏食や朝食抜きの食生活による鉄分の不足などがあります。また、妊娠や授乳中は鉄分が通常よりたくさん必要という、女性ならではの事情があります。
ほかに子宮筋腫や胃潰瘍(消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍))、胃がんなどによる出血でも貧血が起こります。受診して病気を確定します。
貧血と混同するのが脳貧血。これは自律神経のバランスがくずれて一時的に脳に送る血液が足りなくなる状態で、起立性低血圧といいます。
バランスのとれた食事で鉄不足の改善を
貧血には、日常的な鉄分の補給が不可欠。ただ、サプリメント(鉄を多く含むサプリメントは、胃腸の負担になることが多いので、胃の弱い人は注意。薬剤師や医師に相談を。鉄の吸収率は低いので、ビタミンC配合のサプリメントが鉄の吸収には効果的)や鉄剤の服用だけに頼るのは避けます。鉄以外にもビタミン
食品に含まれる鉄分には、へム鉄と非へム鉄があります。肉や魚、貝類に含まれるものをへム鉄といい、海藻や野菜、大豆に含まれるものを非へム鉄といいます。
どちらもビタミンCといっしょにとると、吸収しやすくなるので、ブロッコリーやピーマンなどの緑黄色野菜などを組み合わせて食べると効果的です。予防や治療後の再燃防止には食べ物からの継続的な鉄分の摂取が大切です。
明らかな鉄欠乏性貧血の治療には、食事だけでは不十分なので、医師の指導のもと、鉄剤を服用します。
食生活と鉄不足症状のチェック
●貧血になりやすい食生活(おもなものとして)
・現在、ダイエットで食事制限をしている。
・朝食や昼食を抜くなど、1日3食たべることは少ない。
・ファーストフードやコンビニ弁当、インスタント食品が多い。
・偏食がちで、好き嫌いが激しい。
・お菓子でおなかがいっぱいになることがよくある。
●鉄不足の症状(おもなものとして)
・朝、起きるのがつらい。
・動悸、息切れがする。
・結膜が白っぽい。
・爪が白っぽくスプーン状に変形。
・肌や髪につやがない。
・立ちくらみがする。
・顔色が悪い。
・意欲、根気がわかない。
貧血を改善する食生活の注意
●鉄分を多く含む食品
鉄分を多く含む食品には、やつめうなぎ、煮干し、イワシ、レバー(豚、鶏)、ヒジキ、シジミ、アサリ、切り干し大根、大豆、高野豆腐、ほうれん草などがあります。
食品に含まれる鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。肉や魚、貝類に含まれる鉄分がヘム鉄、野菜や大豆、海藻類などに含まれる鉄分が非ヘム鉄です。動物性のほうが鉄分を多く含み、吸収率も植物性とくらべて5倍もあります。
鉄分を含む食品といえばレバー。とくに豚のレバーは、吸収率もよくほうれん草の2倍以上の鉄分を含んでいます。
●たんぱく質やビタミンCもあわせて
鉄分の吸収をよくするために、たんぱく質やビタミンCを含む食品をいっしょに摂取するようにします。たんぱく質はヘモグロビンを構成する重要な栄養素。吸収率の悪い非ヘム鉄の吸収を高めてくれます。肉類や魚類、大豆類などに豊富です。
●鉄鍋や鉄びんからも鉄分の補給
鉄分を含む食品を食べる以外にも、手軽に鉄を補給できるのが、鉄鍋や鉄びんを利用する方法。鍋から溶け出した鉄が、料理やお茶などによって簡単に摂取できます。煮込むほど効果的。
●胃を刺激して鉄の吸収もアップ
酢や香辛料は胃酸の分泌を高め、鉄分の吸収を促進します。料理に取り入れましょう。緑茶やコーヒー、紅茶のタンニンが鉄の吸収を阻害することも。食後は、ほうじ茶かウーロン茶を。
世代別・鉄の必要量(1日あたり)
(五訂食品標準成分表より)
9~11歳……10mg
思春期……12mg
成熟期……11mg
妊娠前期……15mg
妊娠後期……20mg
授乳期……20mg
更年期……11mg
閉経後……10mg
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