学童期からの食事(がくどうきからのしょくじ)

夜型生活の習慣化で肥満傾向が問題に

 小・中学生になると、塾やおけいこ、クラブ活動などで帰宅が遅くなる子が多く、夕食の時間も8〜10時台と遅くなります。これは、「夜食症候群」といわれており、体が休息する時間帯に多くのエネルギーが補給されるため、肥満になりやすい傾向にあります。
 また、夜型の生活を続けていると、朝早く起きられなくなります。しだいに朝食がとれなくなり、昼・夜の食事量がふえ、不健康な食生活へとつながっていきます。

朝食をしっかりとって脳にエネルギーを送ります


 学校の授業は、午前中に4時間もあるので、朝から頭をしっかりはたらかせるためには、朝食をとってエネルギー補給をすることが必要です。
 穀類は脳のエネルギーになるブドウ糖をつくり、たんぱく質は体温を上げて体を活性化し、ビタミン類は各栄養素がスムーズにはたらく助けをします。
 朝食では、ごはんやパンなどの主食、卵や大豆製品などのたんぱく質食品、野菜や果物などのビタミン食品をとるようにしましょう。量よりも、各食品をバランスよくとることが大事です。

おやつは自分で栄養を考えて選べるようにします


 学童期に入ると消化機能が発達し、3食で必要な栄養がとれるようになるので、間食(おやつ)は1日のエネルギー所要量の10%以内をめやすにします。夕食までの空腹を一時的に満たしたり、お楽しみという意味でとる程度にします。ただし、カロリーが高すぎず、脂肪分や塩分が少なく、甘さもひかえめなものを選ぶようにしましょう。
 だんだんコンビニなどで買い食いをするようになるなど、親の目が届かなくなります。自分で栄養のことを考えて選べるようにしておきましょう。

動物性脂肪、砂糖、塩分のとりすぎに注意しましょう


 現代は食事が洋風化しており、外食もふえ、子どもたちは、肉、卵、牛乳、スナック菓子、甘いお菓子、加工食品などをとりすぎる傾向にあります。そのために、動物性脂肪、砂糖、塩分を過剰摂取している子が多く、肥満や脂質異常症(高脂血症)が問題になっています。
 肥満は糖尿病などの引き金になり、脂質異常症は動脈硬化につながり、いずれも生活習慣病を引き起こすおそれがあります。この傾向が低年齢化しているのも問題です。

カロリーは過剰ですが、ミネラルが不足気味です


 エネルギーなどの過剰摂取で肥満傾向にある反面、カルシウムや鉄などのミネラルは不足しており、骨密度が低下したり、鉄欠乏性貧血になる子どももみられます。骨はこの時期にしかつくられず、いまのカルシウム不足は将来、骨粗鬆症につながります。成人してから骨をつくることはむずかしいので、いまのうちに貯金しておくことが大事です。カルシウムは牛乳だけにかたよらず、小魚や青菜などからもとるようにしましょう。
 鉄は、とくに初経を迎えた女子に不足しがちなので、魚介類や海藻、青菜などを積極的にとるようにします。

ダイエットによるやせに注意


 女の子のやせ傾向がふえています。原因はダイエットによるものが多く、ダイエット開始の低年齢化も問題です。
 極端なダイエットは、常に低栄養が続くため、成長障害を起こす可能性があります。また、将来的に神経性やせ症、神経性過食症などの食行動障害(摂食障害)(コラム「思春期に多い食行動障害(摂食障害)」)を引き起こすこともあります。正しい食事や栄養の大切さを教えていきましょう。
表「1日のエネルギー所要量」表「1日の食事量のめやす」

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