思春期のころ(中学生のころ)(ししゅんきのころ)

体と心のようす

★第二次性徴がはじまる


 女の子は10歳前後から、男の子は12歳前後から急速に背の伸び率が大きくなります。このころ、女の子は胸がふくらみ、男の子は精巣が大きくなってきます。これが思春期のはじまりですが、スタートの時期にはかなり個人差があります。その後1〜2年のあいだに性腺刺激ホルモンの分泌が高まり、成長ホルモンのはたらきとも相まって、女の子なら身長が約15cm伸びて初経を、男の子は20cm近くも伸びて声がわりを迎えます。

★男の子は精巣が大きくなる


 男の子の第二次性徴は精巣からはじまります。9歳前後の平均で約3mLだった容積が、思春期の終わりの17歳ごろには平均で約13mLと、約4倍大に発達し、これにつれ、陰嚢の皮膚は赤みをおび、陰嚢自体も大きくなります。
 精巣よりすこし遅れて陰茎(ペニス)が発育しはじめ、陰毛が生えてきます。さらにわき毛やひげが生え、また声がわりや、喉頭骨の発達によって「のどぼとけ」がはっきりするのも特徴です。
 精巣でつくられた精子が精液となって陰茎からはじめてでてくるのが精通(夢精)で、平均年齢は13〜14歳です。

★乳房が大きくなり、初経をみる


 女の子の第二次性徴は、乳房の発育にはじまり、ついで陰毛、わき毛が生えてきます。また卵巣、子宮、腟などの性器も思春期のあいだに急速に発達し、身長が140cmを越えると、初経を迎えるようになります。初経の年齢はしだいに早まってきているようですが、平均すると11〜13歳、身長が145〜150cmのあいだがいちばん多いといわれます。

日常の接し方


★過度の介入、干渉は避ける


 思春期の感情は日々はげしく揺れ動いています。自我としては未熟ですが、なんでもできる自由や希望があり、反面、なにができるかわからない不安があります。「自分はほかの子からどう見られているか」「自分はほかの子とくらべてこんなところが劣っている」といった思いはますます強くなり、自分の心を見いだし、自己を確立しようとする「自分さがし」がはじまります。それが自立に向けての第一歩となります。
 このような時期に、親の過度の介入や干渉は逆効果になります。子どもの心の動きをさまたげないように、助言や励ましはひかえめにして、心理的な自由を与えてあげましょう。

★親も子ばなれを


 思春期が「反抗」の時代といっても、ほとんどの子がいつも親とにらみあっているわけではありません。まだ経験も浅く、自己形成の途上にあるのですから、親のしっかりした指導は必要ですし、本人たちも心の底ではそれを望んでいることもあります。ただ、子どもの自尊心がそれを素直に認めようとせず、一方的な命令や指示には反発してしまうのです。
 ですから、親は「なんのために勉強するのか」「上の学校へいく目的はなにか」など、現実性のあることを子どもとしっかり話しましょう。そのうえで、最後の決定は自分でしなくてはならないことが多いことを教えます。
 もし親に別の考えがあるなら、1つの選択肢として、それをきちんと子どもに伝えるべきです。そのためにも、親の考えや態度をはっきりさせておくことが必要です。それは、ときとして親の生き方自体をも問い直されることかもしれません。しかし、子どもとともに生き方を考えようとする親を子どもは信頼し、こうした状況の中から、新たな親子関係も築かれていきます。
 もう親とはちがった世界で生きはじめた子どもたちですが、どんなときでも親は子どもの味方という姿勢を根底において、ほんとうの意味での親ばなれ、子ばなれを実現させましょう。

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