思春期は、体と心が大人に向けて変化する時期
思春期は、体と心が大人に向けて大きく変化していく時期です。男女ともに性ホルモンの分泌がさかんになり、女子は乳房が発達し、初潮がはじまり、男子はひげや陰毛が生えはじめます。
とくに最近の子どもは、栄養状態がよいために体の成長が早く、心の成長がそれに追いつかないという状態です。
そのため思春期の子どもの心は、まだ子どもでいたいという思いと、親から自立しなければならないという思いが共存しているのです。
心はさなぎ(子ども)のつもりでも、日に日に体はチョウ(大人)に変化していくわけですから、かなり動揺するものです。いままでもっていた自分のイメージがよくわからなくなるのも当然です。
こうした体と心のアンバランスが、親に対するかたくなな態度や反抗という形となって現れ、ときとして親子関係がギクシャクすることがあります。
それにともない、思春期の子どもには、性的な欲求の高まりがあります。
男女ともに異性を意識しはじめ、クラスメイトに思いを寄せることもあります。男子の場合では成人雑誌を見たり、友人とこれらを共有したり、ときには自慰行為をすることもあります。
こうしたことを目のあたりにすると、たいていの親は目くじらをたてたり、狼狽してしまいますが、よく考えてみれば、これは大人ならだれもが思春期に経験していることです。
ただ、たいていの親がこの時期の自分のことを忘れてしまい、そのため、どう対処してよいのかわからないというのが現実なのです。
口数が少なくなってもあれこれ詮索しないで
思春期の子どもに現れやすい現象に、いわゆる「反抗期」があります。
とくに男子の場合は、それまではなんでも話していたのに、両親との会話が少なくなり、ちょっとしたことにでも反抗的な態度をとります。
その一方で、放っておくと妙に甘えてきたりするので、親からすれば、わがままにみえたり、性格が変わってしまったかのようにもみえます。
だからといってあれこれたずねても、心の内は明かさず、かえって反抗的な言葉を浴びせられることもあります。
しかも、親がすごした思春期と現代の子どもが置かれた思春期では、文化的なギャップが大きすぎるため、昔はこうだった、というようなありきたりの説教をしても、子どもはなおさら受け入れようとはしません。子どもの態度を歯がゆく感じることもあるでしょうが、昔は昔、いまはいまと、割り切った考えをもつことも大切です。
理不尽な反抗には毅然とした態度で対応を
図「無題」
思春期の子どもの心は複雑ですから、この時期の子どもの親は、なにかしらの悩みがあって当然です。迷ったり心配になることもあるでしょうが、そんなときはまず、自分の思春期のころはどうだったかを思い出してください。
両親を避けたり、ひとりで考えごとをしたり、親にいえないことでも友だちになら話せたという経験があるのではないでしょうか。それと同じように、いま、わが子も大人に成長するための橋を渡っているのです。理解のできない態度や言動も1つの成長過程として認めてあげ、大人になる過程を見守ってあげることです。
しかし、いくら身も心もアンバランスな時期だからといって、家族という共同生活のルールを乱す行動や反社会的な行動にでたときは、親は毅然とした態度で対応しなければいけません。
子どもがどんなに反抗しても、悪いものは悪いとはっきり伝えることです。
ときどき、子どもの反抗に対して、その場しのぎにものやお金を与えて解決してしまう親がいますが、子どもは、つぎつぎに交換条件をだし、要求をエスカレートさせていくだけです。
家庭という組織のなかで、最大の責任をもった両親の生き方に子どもを順応させるためには、まずは親自身が、子どもに対して、悪いことは悪いと、きちんと説明できるだけの自信のある人生観をもち、主張できることです。
それが、子どもを世の中に送り出すための初歩的な訓練であり、大きな愛情であることを忘れないでください。
ただし、心の病気(「心の病気」)を考えておく必要もあります。
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