シックハウス症候群・シックビル症候群(しっくはうすしょうこうぐん)

 1970年代後半ごろから、欧米で、同じビルにいる多くの人が呼吸器などの異常を訴え、「シックビル症候群」と呼ばれました。日本の一般住宅でも同様の症状がみられ、「シックハウス症候群」といわれます。これは造語ですが、いまでは「有害な化学物質に室内が汚染され、引き起こされるさまざまな症状」として認知されています。 どちらもめまい、頭痛、吐きけ、平衡感覚の失調、粘膜や皮膚の乾燥など、いろいろな症状が現れるのが特徴です。とくに子どもは頭痛、鼻血、鼻炎、疲労、せき、ぜんそく、鼻粘膜の乾燥、眼球結膜の充血の訴えが多いという報告があります。またアトピー性皮膚炎が急にひどくなる原因ともいわれます。

化学物質を含んだ新建材が原因


 この症候群の原因は2つ考えられます。家の建築に、大量生産できて工事が簡単という理由で、多くの化学物質を含む新建材が使われはじめたことと、冷暖房の効率を上げるために、住宅の高気密・高断熱化がすすんだことです。現代の家のような密閉された空間では、化学物質が室内にこもってしまうのが問題です。

最初にこの症候群と診断されるのはまれ


 病院で最初から「シックハウス」が疑われることはあまりありません。病気の原因がわからず、「ひょっとして……」と問診をしてわかるケースが、いまのところほとんどのようです。また化学物質過敏症は目の動きに異変がでるといい、「移動する光を追う目の動き」を診断材料にする医師もいます。
 治療は、現れている症状を薬などでおさえる対症療法が中心です。
 家庭では、ふだんから窓をあけて換気し、建材や家具からでる化学物質を室内にこもらせないようにします。またダニやカビ対策を行います。
図「シックハウス対策①」
家の建築や増改築、建て売り住宅でも、建材には自然素材を選ぶ。
図「シックハウス対策②」
換気をこまめに行う。家具も扉や引き出しをあけ、空気を入れ換える。
図「シックハウス対策③」
吸着性が高く、空気の浄化作用がある炭を部屋に置くのも効果的。

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