先天性副腎皮質過形成症(21水酸化酵素欠損症)(せんてんせいふくじんひしつかけいせいしょう)

どんな病気?


副腎皮質ホルモン合成の先天的異常により起こる病気で、男児のさらなる男性化、女児の男性化が現れます。2万人に1人の割合で生まれるといわれます。

症状


胎児初期から副腎性アンドロゲン(男性ホルモン)の過剰分泌を受け、女児の外陰部は男性化し半陰陽(「半陰陽」)になります。
 男児もペニスの肥大がみられたりしますが、さほど目立ちません。
 出生後、男女とも嘔吐、脱水、体重減少といった症状が現れ、ショック症状を起こして死亡することもあります。
 多くの場合、皮膚は黒く、とくに乳輪や外陰部の色素沈着が目立ちます。

原因


遺伝子異常で、ほとんどは21水酸化酵素の異常で起こります。常染色体劣性遺伝病(「染色体の病気」)ですが、ほかの酵素の異常によっても起こります。
 副腎皮質はコレステロールを原料として、体内の電解質や水分を一定に保つ鉱質ステロイドホルモン、ストレスの程度に対応して分泌される糖質ステロイドホルモン、男性ホルモンである副腎性アンドロゲンの3種類をつくり、分泌しています。
 21水酸化酵素活性の低下の程度により、単純男性型と、塩分や水分の代謝が異常になり、脱水症状やショックを起こす塩喪失型とがあります。

検査と診断


新生児マススクリーニング検査(「先天性代謝異常症」)の対象になっています。
 血中のナトリウム濃度が低下し、カリウム濃度が高くなっているときは塩喪失状態です。

治療


糖質・鉱質ステロイドホルモン剤を、一生内服します。きちんと治療をしないと、思春期早発症(「思春期早発症」)を引き起こすので注意します。
 女児の場合は、外陰部の形成手術が必要になることもあります。
 塩喪失型のときは、ただちに低電解質血症を改善する治療を行います。

家庭でのケア


薬をかってにやめると急性副腎不全を起こします。また大手術や、重い感染症のときにショックを起こしやすいので注意が必要です(「急性副腎不全」)。

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