腎臓・尿路・性器の病気(じんぞうにょうろせいきのびょうき)

腎臓・尿路のしくみとはたらき

 腎臓と尿路(尿管、膀胱、尿道)は尿をつくって、排出する器官で、これらはまとめて泌尿器と呼ばれています。
 泌尿器のなかで、尿をつくっているのが腎臓です。腰の上に、脊椎をはさんで左右に1個ずつあり、ソラマメのような形をしています。
 腎臓には、毛細血管のかたまりの糸球体があります。まず、ここで、運ばれてきた血液から老廃物などをろ過して、原尿(尿のもと)をつくります。この原尿は、近位尿細管、遠位尿細管の順に運ばれ、この過程で、たんぱく質、アミノ酸、ブドウ糖など、体に必要な物質が再吸収されます。そして、残りが尿になるのです。この尿は集合尿細管で濃縮されます。
 この、糸球体から集合尿細管までの尿をつくる機能をネフロンと呼びます。人間には、片方の腎臓だけでもおよそ100万個のネフロンがあります。
 腎臓でつくられた尿は腎杯をへて、いったん腎盂に集められたあと、尿管をとおって、膀胱にためられます。そして尿が一定の量になると、尿道をとおって体外に排出されるのです。
 腎臓は、体に不必要な物質を尿として排出するだけではなく、骨を形成するビタミンDを活性化したり、血圧の調節や赤血球をふやすホルモンを分泌するなど、体のバランスを保つはたらきをしています。
 腎臓や尿路など泌尿器のどこかに異常や疾患が生じると、尿量が減ったり、逆にふえたり、体に必要な栄養素のたんぱく質などが尿にでてしまったりします。また、反対に尿として排出するべき物質が体内にたまってしまうなど、いろいろな障害が起こってきます。

子どもの腎臓・尿路の病気の特徴


 腎臓・尿路の病気で、3歳くらいまでの乳幼児に多くみられるのは尿路感染症です。これは、尿道、膀胱、尿管、腎臓に細菌感染を起こすもので、この年齢で、かぜの症状がないのに熱があるときは、この病気が疑われます。
 5〜7歳の幼稚園から小学校の低学年になると、腎炎が目立ってきますが、その多くは集団検尿で発見されます。ネフローゼ症候群も、学童期の子どもに多くみられる代表的な病気です。
 なお、腎臓病にかかると、日常生活のなかで、食事や運動などの面で守らなければならない制限があります。医師の指示を守らせることが大切です。腎炎などは再発する可能性もあるので、しっかり治すことが重要です。

腎臓・尿路・性器には先天異常が多い


 ネフロンの構造や機能の異常、あるいは腎臓の形態の異常など、腎臓や尿路は、生まれつきの形態異常がもっとも多くみられる臓器の1つです。
 腎臓が片方しかない片側腎、1つの腎臓に2本の尿管がある重複尿管、尿道の出口の位置が異常な尿道下裂、腎盂が拡張する水腎症などがその例です。水腎症は、100人に1人の高い割合でみられます。
 これらの異常に合併することのあるのが、膀胱尿管逆流現象です。この現象は、膀胱内の尿が尿管に逆流するもので、腎盂に細菌が侵入するため、腎盂腎炎をくり返す原因になります。その結果、重い腎臓の機能不全をまねくこともあります。
 性器の病気も、生まれつき形の異常が多く、男の子では真性包茎、陰嚢水腫、停留睾丸が目立ちます。
 女の子では少数ですが、鎖陰などがみられることがあります。
 男女の区別がはっきりしない半陰陽などの異常は、非常にまれな病気です。
 性器の異常は、出生後に発見されます。入浴時や、おむつ交換のときに気をつけて見てください。
図「腎臓の内部」図「腎臓のしくみ」
図「ネフロンのしくみ」

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