先天性食道閉鎖症(せんてんせいしょくどうへいさしょう)

どんな病気?


生まれつき食道の一部が閉鎖していたり、食道と気管の一部がつながり、食べ物がスムーズに通過できません。

症状


食道閉鎖はその形によってA型からE型の5つのタイプに分類されます。そのなかでも85~90%を占めるC型は、口からつながる上部食道が閉鎖し、胃につながる下部食道が気管とつながっています(気管食道瘻)。つぎに多いのが、気管との行き来(交通)がなく、食道が閉鎖してとぎれているA型です。E型は食道の閉鎖はなく、食道の一部が気管につながっています。
 この病気の症状としては、出生直後から唾液が多くみられ、口や鼻からあぶくをだすことがあげられます。呼吸障害も認められます。唾液や胃液が気管内に入り、肺炎を合併することもあります。
 また、心室中隔欠損(「心室中隔欠損」)などの心臓・血管形態異常や、鎖肛(「鎖肛(直腸肛門奇形)」)、メッケル憩室(「メッケル憩室」)、内腔がせまい十二指腸狭窄などの消化器形態異常、尿道下裂(「尿道下裂」)などの泌尿器形態異常といった先天異常の合併が約半数の子どもにみられます。
 また、妊娠中、胎児の動きをやわらげる羊水の量が多い羊水過多から、この病気が疑われることもあります。
図「先天性食道閉鎖の病型の分類」
A型は食道が閉鎖して気管との交わりがない。B型は食道が気管とつながる。C型は口の側の上部食道が閉鎖して、胃につながる下部食道が気管とつながっている。D型は食道が気管に入り、下部食道が気管から出ている。E型(図省略)は閉鎖がないが、食道の一部が気管につながっている。

原因


まだ母親のおなかの中にいて、食道から気管がわかれる胎生3~6週ごろに、なんらかの原因で異常が起きたと考えられます。しかし、その原因ははっきりしていません(「胎生」)。

治療


外科手術によって治療します。症状に応じて、一期手術療法か二期手術療法のいずれかが行われます。
 前者は、気管と食道がつながっている気管食道瘻の切り離しと、食道吻合(縫い合わす)を同時に行う方法です。後者は、先に気管食道瘻を閉じて、皮膚から胃に穴をあけて、栄養を補給する管をとおす胃瘻造設を行い、後日、食道の再建手術を行う方法です。
 まれに、手術後、縫い合わせた部分から液がもれる縫合不全、縫い合わせた部分がせまくなる吻合部狭窄、再び気管と食道がつながってしまう再発性気管食道瘻などの合併症が生じる危険があります。

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