赤血球の病気(貧血)(せっけっきゅうのびょうき)

 血液は、体のすみずみから運ばれてきた二酸化炭素を肺で放出し、かわりに空気中の酸素を取り入れます。これをガス交換といいます。
 ガス交換がスムーズにいくのは、赤血球が、酸素と強く結びつく鉄を含むたんぱく質であるヘモグロビン(血色素)をもっているからです。このヘモグロビンの単位体積あたりの濃度が、正常より少なくなった状態を貧血といい、もっとも起こりやすいものです。
 ヘモグロビンが減ると、筋肉や脳などの体の各組織に酸素が供給されず、組織が正常にはたらくことができなくなって、疲れやすくなったり、頭が重いなどの症状が起こります。また、酸素の不足分を補うため、心臓や肺がふつう以上にむりにはたらくようになり、少しの運動でも動悸や、息切れを感じるようになります。

原因は大きくわけて3つ


 貧血が起こる病気は、大きく3つにわけられます。
 1つは血球がつくられる場所である骨髄に異常が発生して貧血が起こる病気で、再生不良性貧血や白血病などがあります。
 2つめは、赤血球をつくるための材料が不十分なために貧血が起こる病気で、鉄分が不足する鉄欠乏性貧血、ビタミンB12や、葉酸というビタミンが不足する巨赤芽球性貧血などがあります。
 3つめは、赤血球にはおよそ120日の寿命があり、古くなったものは脾臓でこわされますが、それ以上に早くこわされるために貧血が起こる病気で、これを溶血性貧血といいます。
 貧血の診断には、血液中の赤血球数、白血球、血小板、ヘモグロビン量などを検査する必要があります。これらの正常値は年齢や性によって異なります。
表「年齢別末梢血液の正常範囲」

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