◆かゆみ
特徴
外陰部や腟の中にかゆみがあるときは、細菌性の腟炎のほかに、性感染症の感染が疑われます。すぐに婦人科を受診して、治療を受けることがたいせつです。
●腟カンジダ症
特徴
カンジダ真菌というカビの増殖により発症します。外陰部や腟の中に強いかゆみがあり、外陰部が赤くただれます。セックス以外でも抗生物質の長期投与(菌交代現象)や、かぜをひくなどして、抵抗力が落ちたときにも発症することがあります。
●腟トリコモナス症
特徴
トリコモナス原虫の感染により発症します。下着を何度替えても間に合わないほどの黄色いおりものがふえ、おりものの刺激で、腟や外陰部に強いかゆみが現れます。炎症やほてり感もあるため、わりと早く発見され、治療に結びつきやすい病気です。
●けじらみ
特徴
昔からよく知られる性感染症の一つ。セックスで感染し、陰毛の中にすみついたけじらみが皮膚をかむため、恥骨、外陰部など広い範囲にかゆみが現れます。皮膚には発疹ができ赤くなります。下着に血液の赤いしみやけじらみの糞が付着します。
◆できもの
病気の種類によって、水疱や潰瘍状のもの、かたいおできやいぼなどができ、痛みのあるものとないものがあります。痛みのないものは、ひっかいたりすることでどんどん広がります。
●尖形コンジローム
特徴
外陰部や肛門などに灰色のいぼが現れます。痛みもかゆみもないので、広がるまで気づかないこともあります。爪でかくと、どんどん広がります。いぼのできている場所や範囲によって治療法が異なります。治癒には時間がかかります。
●性器ヘルペス
特徴
大陰唇や小陰唇に水疱や潰瘍ができます。歩行や排尿ができないほどの強い痛みがあるので、早く発見されます。オーラルセックスやキスで感染した場合、水疱や潰瘍は口にも現れます。回復してもウイルスが神経の根元にすみつき、再発をくり返します。
●梅毒
特徴
セックスで感染したら陰部に、キスで感染したら口に、小豆大のかたいできものが1個できます。痛みやかゆみがないため、発見が遅れることがあります(第1期梅毒)。そのため、発疹などが現れる第2期梅毒以降に発見されることが多くあります。
◆においがする
においは、ほとんどがおりものにともなうものです。下記にあげる性感染症に感染すると独特のにおいを感じ、発見の手がかりになります。
●腟トリコモナス症
特徴
トリコモナス原虫の感染により発症します。おりものがふえるのが特徴で、それにともない、陰部に腐敗臭のような独特のにおいがします。陰部を洗ってもつぎつぎにおりものが出るので、においが消えることはありません。
●淋菌感染症
特徴
淋菌の感染により発症します。女性の初期症状は少ないといわれますが、進行すると膿のようなおりものが下着につき、独特のいやなにおいがします。おなかが痛くなることもあります。
◆痛みがある
性感染症には、痛みのある病気が比較的少なく、それが発見を遅らせる原因の一つです。ただし、下記の病気には痛みが現れます。
●性器ヘルペス
特徴
潰瘍や水疱ができたと同時に外陰部にはげしい痛みがあり、痛みから歩けないこともあります。排尿時には尿がしみてはげしく痛むため、排尿ができなくなることも。足のつけ根のリンパ腺が腫れてかたくなります。
●軟性下疳
特徴
現在ではほとんどみられなくなった性感染症の一つです。きわめてまれな病気ですが、万が一感染すると外陰部に大豆ぐらいの大きな潰瘍ができ、はげしく痛むのが特徴です。
◆おりもの
性感染症に感染すると、おりものの状態が変化することが多く、早期発見の手がかりになります。また、病気を判別するためにもたいせつな情報です。
●性器クラミジア感染症
色
白か透明。
特徴
感染初期には白か透明のおりものが多少ふえる程度ですが、進行すると、黄色っぽいおりものに変わることもあります。そのため、感染初期には発見されにくいといえます。
●腟カンジダ症
色
白かクリーム色。
特徴
はじめは白かクリーム色のおりものですが、だんだん白っぽいおりものが出るようになり、進行するとパサパサのカッテージチーズや豆腐のようなおりものに変わります。白いカスがポロポロ落ちることもあります。
●淋菌感染症
色
黄色。
特徴
感染初期は白か透明のおりものが出ますが、進行すると、においが強く、黄色っぽいおりものが多量に出ます。性器クラミジア感染症と同様に、早期発見が遅れやすいといえます。
●腟トリコモナス症
色
泡沫状で黄色っぽい。
特徴
まめに下着を替えても間に合わないほど、泡沫状で、黄色っぽいおりものがたくさん出ます。おりものの刺激で、外陰部や腟に強いかゆみが現れます。においも強くなります。
★病気の詳しい解説は、性感染症を参照。
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