自分をたいせつにしたい女性のセックス
愛する人の肌にふれたい、抱きしめたい、セックスをしてお互いを確かめたいという気持ちは、だれもが自然にいだく感情です。こうした自然な感情の上で、お互いが求め合う形のセックスなら、それはとてもすてきなことです。セックスは、愛情を確かめ合うためのたいせつな手段なのですから。
でも、いくらすてきなセックスであっても、気をつけなければならないことがあります。一つは避妊です。まだ赤ちゃんがほしくない夫婦や、結婚をしていないカップルなら、避妊は欠かすことはできません。もし、妊娠してしまったら、ふたりの生活にどんな変化が現れるのかをよく考えて、子どもを生んでもいいと思えないうちは避妊をすることです。
妊娠してしまった場合、人工妊娠中絶という選択もありますが、これは、女性の心とからだにダメージを与えます。避けてほしいことです。
避妊にもいろいろな種類がありますから、つぎに紹介する種類から自分に合ったタイプを選ぶとよいでしょう。
おもな避妊法
●コンドーム
もっとも代表的な避妊法です。これはペニスに直接かぶせて、精液をシャットアウトします。また、女性用のコンドーム(コンドームの正しい使い方)もあり、これらは避妊法のなかで唯一、性感染症の予防に有効です。
●IUD(避妊リング)
子宮の中に直接装着して、受精した卵子が子宮の中で育たないようにします。
●ピル(経口避妊薬)
定期的に内服して、排卵を起こさないようにします。
それぞれの避妊法には一長一短あります。選ぶときは、避妊の確実性と感染症の予防などを念頭に置き、費用やライフスタイルから考えて選ぶとよいでしょう。避妊の確実さでいうとピルがいちばんですが、性感染症の予防はできません。エイズ感染者が急増している現在、すべてのセックスにはコンドームが常識。結婚したら「ピル」と考えてください。
そのほかの避妊法
上記で紹介した避妊法のほかにも、いろいろな避妊法があります。
●オギノ式
昔からある方法です。これは、月経のはじまった日を1日と数え、それから排卵日に相当する14日前後に禁欲するという方法です。しかし排卵日は、体調が悪いときなど、ちょっとしたことでも日にちがかんたんに前後するので、まず計算どおりにはいきません。そのため、失敗する率が高い方法といえます。
●基礎体温式
毎日忘れずに寝起きの口の中で体温をはかり、毎月排卵日を割り出し、低温期から高温期になり、2日以上経過したら避妊を解除してもよいという方法です。ただし、だれでも適用できるわけではなく、原則として、毎日欠かさずに基礎体温をはかることができ、なおかつ、毎月きちんと排卵があって、体温が低温相と高温相にきれいに分かれるタイプの人には有効です。確実に基礎体温がつけられなかったり、排卵日がずれやすい人には効果はありません。
●性交中断
男性がペニスを腟の外に出して射精するという方法です。しかし、あくまでも男性まかせの方法であるため、ペニスを抜くタイミングを誤ったり、気づかないうちに精子が漏れていたりすることもあります。成功率はかなり低いといえます。
これらの方法は、器具や薬を使わないため費用はかかりませんが、避妊の確実さからいうと、かならずしも安心できるものばかりではありません。また、性感染症の予防にもなりません。確実に避妊するのであればピル、さらに性感染症を予防するためにはコンドームの使用が必要です。
これ以外にもセックスのあとに飲む「アフターモーニングピル」(アフターモーニングピルとは?)がありますが、これはあくまでも緊急避難用の避妊法で、一般的な避妊法ではありません。
避妊具の使い方
一般的に使われているピルとコンドームの使い方を紹介しましょう。
ピルは、日本では1999年に低用量ピルが承認され、医師の指導を受ければ使えるようになりました。服用時はかならず産婦人科を受診し、血液検査や性感染症の検査を受けて、服用しても安全かどうか判断してもらう必要があります。ただ、性感染症の予防はできませんので、安心できないなら、コンドームとの併用が必要です。
コンドームは、薬局やコンビニでも買うことができ、コストも安く、だれでも手軽に使えます。また性感染症の予防にも有効です。ただしアダルトショップや怪しい通信販売で売られているコンドームは、すぐに破れるなど、避妊具としての役割をはたさないものがあります。かならず薬局やコンビニなどで購入しましょう。
ピル(経口避妊薬)
正しい服用で確実に避妊効果を発揮する
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を配合した薬を飲むことにより、排卵を起こさせないようにして避妊します。飲み忘れなければ避妊効果はほぼ100%といわれています。世界的には、ホルモンの量が多い中用量ピルが使われていましたが、改良を重ね、少ないホルモン量で副作用が少なく、確実に避妊できる低用量ピルが開発されました。
日本では何種類かの低用量ピルが承認されています。飲み方は月経開始初日から1日1錠を服用し、21日間つづけます。その後7日間は服用を中止し、8日めから再服用します。ただ、ピルの種類によって多少ちがうので、飲み方を医師に確認しましょう(ピルについて)。
副作用と副効用
ピルを飲んでいるときは妊娠しているときと似たようなホルモンの状態になっているため、吐き気やおりものの増加、乳房が張るなどの副作用が現れることがあります。一方、ピルを飲むことにより、月経痛がやわらぐ、月経にともなう腰痛が軽くなる、月経の日数が短くなるなどの効用もあります。
コンドーム
低コストで手軽に使え性感染症予防に有効
男性用は、厚さ0.02~0.05mmの薄いゴムの袋をペニスにかぶせて、精液が腟の中に入らないようにします。性感染症の予防にも有効で、世界的にもエイズ予防のためにコンドームの装着が奨励されています。
失敗しないポイントは、ペニスが十分に勃起した状態で、かならずセックスをはじめる前につけておくことです。
こんな使い方をしていませんか?
(1) 十分勃起しないうちにつける
抜けたり、よじれの原因になります。
(2) 射精直前につける
気づかないうちに射精していることがあります。
(3) 伸びた爪でさわる
爪をひっかけて破れることが。爪は切っておくこと。
(4) コンドームを取り替えずに2回めの挿入をする
1回めのセックスのあとペニスがしぼむと、すき間から精液が漏れます。かならず新しいコンドームにつけ替えます。
避妊と感染予防を考えたセーフティ・セックスについてもっと知る
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