Q)実際に婦人科へいく前に、Eメールや電話で相談できる?
A)できます。保健所や自治体の女性センターといった公的機関、病院、医療関係の企業、市民団体など、主宰はいろいろですが、電話やEメールでの相談窓口を設けているところはたくさんあり、とくに最近はインターネットでの相談がふえています。
不安をかかえたままにせず、まずはこういった窓口を気軽に利用してみるのも一つの手でしょう。ただし、同じ症状にみえても、原因は人それぞれ。得られる情報の質もまちまちです。あくまで基礎的な知識や情報を得る手段と考えましょう。心配な症状があれば、とにかく病院へいくことが肝心です。
Q)月経中だったり、出血している最中でも、みてもらえますか?
A)月経中でも出血していても、診察は可能です。ただ、おりものの異常などがあるときは、後日、あらためて診察や検査をすることもあるので、緊急を要しないなら月経中は避けたほうが無難です。とはいえ、不正出血を月経とかんちがいしている場合もあります。8日以上つづく出血なら、受診しましょう。
Q)内診台が不安です。カーテンはかならず引かれるの?
A)最近は、下半身にかけるバスタオルを用意している病院が多くあり、以前にくらべると、患者さんの気持ちやプライバシーを考えた改良がなされてきています。
内診台の正面には、ふつうカーテンが引かれますが、患者さんのなかには、「なにをされているのか不安」「性器だけ見られるのは、もの扱いされているようでイヤ」と思う人もいるでしょう。カーテンが不要だと思う人は、「使いたくない」と希望を伝えれば、開けた状態で診察してくれます。
逆に、「医師たちの姿が見えるのは落ち着かない」というなら、カーテンは引いたまま診察してもらいましょう。
最近では最初からカーテンのない病院もあり、また診察室に入る前に設けられた、中待合室を廃止している病院が多くなっています。
内診台のすぐ近くにつぎの人が待っているのでは、医師との話が筒抜けになってしまいますし、患者さんが精神的に落ち着けない、ということを考えてのことです。
Q)症状をうまく具体的に伝えられるか心配です。
A)婦人科では、診察の前に問診票を記入するシステムになっているところが多いので、気になることがあれば、まずそこに記入します。
診察時に医師から「きょうはどうしましたか?」と聞かれたら、自分がいちばん不安に思っている症状を簡潔に話しましょう。「外陰部がかゆい」「月経痛がひどい」など簡単なことばで十分です。
要領よく説明するためにも、あらかじめ症状や伝えたいこと、また質問したいことなどをメモしたものを用意しておきましょう。
もちろん、「自覚症状はとくにありませんが、がんが心配なので」といった相談でも受診できます。
Q)性体験がありませんが、内診で処女膜が破れたりしませんか?
A)処女膜というのは、腟の入り口をふさぐ1枚の膜ではなく、入り口の内側を取り巻く粘膜のひだのことです。もともとあながあいているし、粘膜は伸び縮みもするので、内診によって破れたり、傷つくようなことはありません。
内診で腟鏡を使用する場合は、一段階小さいものに替えるなど、診察にも十分配慮されています。それでも、痛いと感じたら、がまんせずに医師に伝えましょう。
また、性体験がない人や小児の場合、性感染症の心配もないので、よほどの症状がでていないかぎり、直腸診や超音波検査を行い、内診なしですませられることもあります。
ただし、性体験がない人でも、子宮体がんの発症の報告があるので、がん検診では、腟鏡の使用が必要です。
Q)診察の最中、写真を撮られたり、研修医に見学されたりすることは?
A)大学病院などでは、医師や看護師にとって研修が必要なので、臨床実習が行われることがあります。しかし、婦人科では本人の知らないところで複数の研修医が見学するということはありません。がんの診断や治療の効果を判定するために、写真の記録がどうしても必要と思われる場合は、事前に了解を求めますから、いやならはっきりとことわりましょう。
自分のプライバシーを守るのは患者さんの権利です。ことわったからといって医師の心証を害したり、しかられるようなことは絶対にありません。
Q)自分の月経血の量が標準より多いか少ないかは、どうやって判断する?
A)問診票にはよく「月経血が多い・ふつう・少ない」のなかから選ぶ、というような項目があり、判断に迷う人は少なくないようです。ただ、問診票では厳密なことまで求めているわけではないので、自分が思ったとおりを伝えればよいでしょう。
いくつかめやすをあげてみると、たとえば昼間も「夜用」の大型パッドを使う、またそのパッドの交換は1時間に1回くらい、あるいは血のかたまりが出る、というような人は多いほうと考えられます。とくに、かたまりが出るか出ないかは大きなめやすです。月経血は、酵素のはたらきで通常はかたまらないようになっていますが、月経血の量が多いと、そのはたらきが追いつかず、一部分はかたまりとなって出てくるからです。
一方、「昼用」や「少ない日用」のパッドで十分足りるという人、また月経期間は5~7日間くらいが一般的ですから、2日程度という人は月経血の量が少ないほうといえるかもしれません。
いずれにしても判断に迷ったら、「以前は多かったけれど、最近は量が減ってきた」「3日間で終わる」といったメモを書き添えてもよいでしょう。
Q)10歳代のころに妊娠中絶をしたことがあるのですが、昔の中絶経験もいわなければいけませんか?
A)性体験や妊娠・出産、中絶経験の有無はかならず聞かれます。なぜならそれは、診察と診断に必要なことだからです。たとえば、内診は必要か、内診をするときに腟鏡の大きさなどを判断する基準になります。
医師が単なる興味からこういったプライバシーを聞くことは絶対にありませんし、自分のからだのことですから、隠したりせずに、本当のことを伝えましょう。問診票に書けば、口頭で確認されるようなことはあまりありません。
Q)大学病院や総合病院で女性医師を希望することはできますか?
A)婦人科にかかるとき、女性医師を希望する人は多いようです。「女性どうしなら、女性特有の悩みやつらさを理解してもらえるのでは」という理由からでしょう。
たしかにそういう面はありますが、医療の基本である「患者さんの立場や痛みに寄り添える」という点では、性別のちがいはあまり関係ないのではないでしょうか。
たとえば、てきぱきと説明し、絶えず「ご質問はありますか」と聞いてくれる女性医師に気おくれを感じてしまい、男性医師にかかることにしたという例もあります。
要は医師ひとりひとりのパーソナリティーの問題。女性医師か男性医師かということより、自分と相性がよく、信頼できるかどうかでしょう。
それでもどうしても女性医師を希望するなら、それを伝えることは大事です。電話などでその病院に女性医師がいるかどうかを確認して、申し出てみましょう。たいていの病院は受け入れてくれるはずです。
Q)仕事が忙しいので、待ち時間をなるべく少なくしたいが……
A)受診前に、電話で、ふだんその病院では待ち時間がどのくらいかかるのか、何時ごろにいけば、あまり待たずに受診できるのかなどを聞いておくのもよいでしょう。また、待ち時間が長い病院では、受け付け手続きをすませ、だいたいの待ち時間を聞いてから外出し、ころあいを見はからって病院にもどる方法もあります。
最近は、手続きをすませた人にポケットベルを渡し、順番がきたらベルを鳴らして呼び出す、という方法をとっている病院もあります。これなら、名まえを呼ばれないので、プライバシーを保てるという利点もあります。
受診したいけれど、どうしても時間が調整できないときは、最初から無理とあきらめないで、電話で事情を説明して相談してみましょう。
Q)妊娠と思われそうで通院がはずかしい。ほかの人はどんな理由でいくの?
A)婦人科というと、以前は妊婦さんが多い印象もありましたが、最近は少子化でお産の件数が減り、年代も理由もいろいろな患者さんが訪れます。一般的に、来院の理由でいちばん多いのは「月経異常」で、全体の60%以上を占めます。ついで多いのが「下腹部痛」。また、「おりものが多い」「月経が不順」「性器の色や形が心配」といった相談でやってくる10歳代の女性もふえています。妊婦外来と一般外来を分けている病院もあります。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。