骨・関節・筋肉・腱・靭帯の病気(ほねかんせつきんにくけんじんたいのびょうき)

骨はからだを支え、保護し、カルシウムを貯蔵する


 全身には206本の骨があり、からだを支えるほか、内臓の保護、カルシウムの貯蔵などの重要なはたらきをしています。また、骨の中心部にある骨髄には、血液をつくる細胞があります。
 長管骨(腕や脚などの骨)を例にとると、表面は、関節面以外を骨膜がおおい、その内側にはかたくて緻密な皮質骨が、さらに内側にスポンジのような構造の海綿骨があります。腕や脚の骨は、皮質骨が多いじょうぶな構造で、脊椎や足のつけ根の骨などは、海綿骨が多い柔軟な構造になっています。
 骨の量(骨量)は、骨を吸収する破骨細胞と骨をつくる骨芽細胞のバランスによって一定に保たれていますが、女性は、更年期前後になるとホルモンのバランスがくずれて、カルシウムのたくわえが少なくなり、骨量が減少して、骨がもろくなります。これが骨粗鬆症です。

脊椎はからだの大黒柱


 脊椎は、からだを支える骨格の大黒柱で、椎体という骨と、椎体と椎体のあいだでクッションの役目をする椎間板がつらなった形をしています。
 脊椎の後方にある脊柱管という管のなかには、脳から出て、からだの各部の運動や知覚を支配する脊髄および神経線維が通っています。さらに、脊椎からは、手足の末梢神経につながる神経根が出ています。
 老化などによって、脊椎が変形してくるのが変形性脊椎症で、おもに頸椎と腰椎に起こります(変形性頸椎症変形性頸椎症)。変形によって、異常な骨の増殖が生じて、脊髄や神経根を圧迫するようになると、首や腰、手足にしびれや痛みなどの症状が起こってきます。
 また、椎間板に変性が起こると、つぶれてきて飛び出した椎間板の一部が脊髄や神経根を刺激して、腰痛、手足のしびれや痛みの原因になります。これが椎間板ヘルニアです。

関節が動くときに大事な軟骨のはたらき


 関節がスムーズに動くかどうかは、生活上たいへん大事なことです。動く関節を構成するそれぞれの骨の端(関節面)の表面は、軟骨でおおわれています。この関節軟骨は、関節にかかる衝撃を吸収して、関節が摩擦なくスムーズに動きつづけることを可能にしています。また、骨と骨は関節包という関節のふくろで連結され、関節腔という骨と骨のすき間に、関節液という液体が分泌されて、関節のすべりをよくしています。
 加齢などで関節にくり返し負担がかかると、関節軟骨が変性してすり減ってきます。これが変形性関節症です。
 変形性関節症の多くは、膝の関節と股関節に起こります(変形性膝関節症変形性股関節症)。とくに女性は、40歳代~50歳代の更年期をすぎると、変形性膝関節症が多くなります。指の関節に起こるものは、ヘバーデン結節(指の使いすぎによるその他の病気)といい、やはり女性に多くみられます。
 そのほか、肩の関節には五十肩(肩関節周囲炎、腱板損傷など)が起こります。

関節や骨の動きを支える筋肉、腱、靭帯


 筋肉は、関節をまたいで骨と骨とをつなぎ、関節が動くのを助けるはたらきをしています。たとえば、からだの一部を曲げたり伸ばしたりできるのは、曲げる筋肉と伸ばす筋肉が連動して、バランスよくはたらくからです。
 筋肉は、直接骨に連結する場合と、という線維の集合体を介して骨に付着している場合とがあります。
 また、靭帯は、筋肉を介さないで骨と骨をつなぎ、骨や関節などを安定化させる線維性の組織です。手足などの小さな骨は、靭帯によってつながり、複雑な動きを可能にしています。
 女性に多いのは手指に起こる腱鞘炎です。スポーツ障害外傷などでも、筋肉、腱、靭帯の障害が起こりやすいものです。

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