変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)

どんな病気?


 股関節の軟骨がすり減ってきて関節が変形し、動きが悪くなるために、少し長く歩いたりすると、股関節や太もも、膝などが痛むといった症状が現れる病気です。

原因


 老化や肥満、重いものを持つ作業などで、長期間、股関節に負担がかかることで起こるものを、1次性の変形性股関節症といいます。
 2次性の変形性股関節症は、子どものころに先天性股関節脱臼や亜脱臼があって、脱臼を治したあと、臼蓋形成不全(骨盤側の屋根の部分が浅い状態)が残ったり、足を開きづらい形の三角おむつをしていたために、臼蓋形成不全が残り、気づかずに治療しなかったことなどが原因になります。最近は、乳幼児健診の充実、股おむつなど育児知識の普及、治療の進歩で、2次性の股関節症は少なくなっています。
 臼蓋の形成不全があると、股関節の一定の部分だけに体重がかかりつづけ、負担のかかる関節軟骨がすり減って、変形が進行しやすくなります。

治療


 臼蓋形成不全がある人は、年に1~2回は整形外科医で経過をチェックしてもらいましょう。痛みなどが軽ければ、消炎鎮痛剤の湿布や塗り薬、ステロイド剤の注射、温熱療法、運動療法などで治療します。進行してしまったり、経過をみているうちに痛みが強くなれば、手術が必要になります。
 手術は、大腿骨の一部を切って骨頭の位置を正す方法、自分の骨の一部を使って臼蓋を形成する方法、骨盤の一部を切ってずらし、正常に近い臼蓋をつくる方法などがあり、進行の程度、年齢、職種、家事の内容などを考慮して決められます。手術で、将来、人工関節にしないですむ可能性もあります。高齢の人は、痛みがでるまで薬物治療などをつづけ、時期をみて人工関節置換術をするのが一般的です。

あなたへのひとこと


 進行の程度にもよりますが、結婚後や子どもに手がかからなくなるまで待ってから、手術するのが可能な場合もあります。手術跡などを考慮して、目だたない皮膚切開を選択する医療機関もふえています。医師とよく相談して決めましょう。
 肥満に注意し、階段の上り下りは手すりを使う、すわったまま家事ができるようにするなどのくふうをします。そのためには、家族の協力が必要です。

ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。

掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

関連するキーワード

変形性股関節症 股関節 軟骨 関節変形 股関節が痛い 太ももが痛い 膝が痛い 老化 肥満 重いものを持つ 1次性の変形性股関節症 1次性 2次性の変形性股関節症 2次性 先天性股関節脱臼 亜脱臼 脱臼 臼蓋形成不全 三角おむつ 股おむつ 臼蓋 形成不全 関節軟骨 整形外科医 消炎鎮痛剤 湿布 塗り薬 ステロイド 注射 温熱療法 運動療法 手術 人工関節 薬物治療 人工関節置換術 手すりを使う
ベビカム医学大辞典
powerd by babycome