けがをしたときの治療の原則は、急性の腫れや炎症がある時期は、患部の安静と冷却、圧迫が原則です。その後2~3日たって、炎症が落ち着いてきたら、お風呂や蒸しタオルなどで、患部をあたためましょう。
以下、いろいろなけがの特徴や注意点、治療法などについて解説します。
以下、いろいろなけがの特徴や注意点、治療法などについて解説します。
骨折
どんな病気?
骨折で注意が必要なのは、開放性骨折です。骨折のために、近辺の皮膚が破れて、骨がのぞいている場合、骨折後24時間以内に適切な治療を受けないと、そこから細菌などが感染して炎症を起こす骨髄炎になる可能性があります。
一刻も早く救急治療を行える整形外科か外科のある医療機関を受診します。
また、骨折したあと腫れてきたり、皮膚が紫に変色してくる場合や、しびれがあったり、さわった感覚がわからないときも早く受診しましょう。
原因
女性に多いのは、交通事故、転倒、スポーツによる骨折です。高齢の女性では、骨粗鬆症による手首、大腿骨頸部(もものつけ根)、肩(上腕骨)の骨折、腰椎の圧迫骨折などです。
治療
骨を正しい位置に保って固定します。ギプス固定や、骨折部位から少し離れた箇所を固定して骨折部分が動かないようにする創外固定などがあります。ときには、ねじやプレートで固定する手術が必要なこともあります。
あなたへのひとこと
高齢者の骨折は、入院が必要になることが多いので、ころばないように注意しましょう。最近は、中高年の女性がバレーボール、テニス、スキーで足関節、手首、指などを骨折することがふえています。スポーツの前後には、かならずストレッチを行いましょう。
脱臼
どんな病気?
関節が本来の位置からはずれてしまう状態で、女性に多いのは指、肩関節、膝蓋骨(膝のお皿)の脱臼です。患部を動かないよう固定して冷やし、整形外科を受診します。
治療
早く正しい位置にもどして固定し、患部を安静にしたうえで、鎮痛剤や腫れをやわらげる薬を使用します。
あなたへのひとこと
居合わせた人にその場で関節の位置をもどしてもらったときも、すぐに動かさず、かならず受診しましょう。骨折を合併していたり、関節軟骨や関節包、靭帯などが損傷している場合は、すぐに動かすと、脱臼する癖がついたり、軟部組織に血行障害などが起こることがあります。
ねんざ
どんな病気?
関節が本来の動きを超えて曲げられたり、伸ばされたりして起こる靭帯や関節包などの損傷です。
腫れが強く、皮下出血があれば早めに受診しましょう。受傷後、時間がたつほど、治療がむずかしくなります。
治療
医師は、視診や触診で損傷の程度を見きわめ、力を加えて撮るストレスX線撮影で検査をして、ねんざの程度を診断します。靭帯が伸びているだけなら、ギプスなどによる固定でもとどおりになりますが、完全に断裂していれば、手術が必要なことがあります。
アキレス腱断裂
どんな病気?
アキレス腱は、かかとのすぐ上にあり、走る、跳躍する、つま先立ちするなどの動作で使う腱です。スポーツ時に強い力がかかったり、急に走りだしたときなどに、断裂することがあります。
かかとのうしろを強くたたかれたような衝撃があったあと、歩けなくなる、片方の足をひきずる、つま先立ちができないなどの状態になります。断裂するときの音が聞こえる場合もあります。
痛みはあまりなく、あってもそれほど強くありません。痛みよりも力が入らないという症状のほうが強くでます。
治療
足を足底側に曲げて、断裂した腱どうしが接触するようなら、その位置でギプス固定します。断裂部が離れてしまっている場合は、腱を縫い合わせる手術が確実です。治療できる医療機関はかぎられていますが、超音波で見ながら、針で縫合する経皮的縫合もあります。
あなたへのひとこと
最近とくに中高年の女性にふえています。30~40歳代以降になって、バレーやテニス、スキーをはじめるようなときは、かならず十分に準備運動を行いましょう。
肉離れ
どんな病気?
筋肉は、細い線維が集まって、そのまわりを筋膜がおおっています。筋肉が急に緊張して、筋肉や筋膜が断裂するのが肉離れで、筋膜の下部が部分的に切れることが多く、おもにふくらはぎに起こります。肉離れが起こると急激な痛みを覚え、断裂が重度だと、皮膚の下にくぼみをふれることもあり、そこが腫れてきたり、数日後に、周辺に皮下出血が広がって、紫色になることがあります。
治療
患部を安静にして冷やします。2日後からはあたためます。筋肉が大きく断裂した場合には、手術が必要になることがあります。
あなたへのひとこと
無理をすると肉離れがさらに広がることがあります。長時間の立ち仕事や外出などは、ひかえます。また、皮膚が紫色になったところではなく、圧痛部位(押すと痛いところ)に湿布します。運動の前には、十分なストレッチやウォーミングアップをかならず行ってください。
こむら返り
どんな病気?
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)に、痛みをともなうけいれんが起こるもので、就寝中や水泳などの運動時に起こります。
原因
こむら(腓)とは、ふくらはぎのことです。筋肉は、脳・脊髄から伝わる刺激によって収縮しますが、そのしくみに異常が生じると、特定の筋肉の一定部分だけに信号が持続的に伝わるようになり、筋肉が強く収縮しつづけて起こると考えられています。
水電解質の異常(下痢や嘔吐、汗が多く出るなど)、利尿剤の服用による脱水状態や低ナトリウム血症、神経や骨の病気、内分泌代謝や甲状腺の異常、糖尿病、腎臓や肝臓の障害などがあると、起こりやすくなることがあります。
治療
何回もくり返すときは、基礎疾患がないか、整形外科や内科で調べてもらいましょう。こむら返りを起こしたら、膝を伸ばしたまま、片方の手で足の親指を強く引っぱって甲側にそらしながら、膝を徐々に曲げるようにします。あとは軽くマッサージを。強くもんではいけません。けいれんがひどいときや、治らない場合は、安静にし、おさまったらあたためます。
漢方薬の芍薬甘草湯は、こむら返りに即効性があります。また、予防にも効果があるとされています。整形外科医や漢方専門医に相談を。
あなたへのひとこと
下肢を伸ばした姿勢で寝て、あくびや背伸びをすると起こりやすくなります。あおむけに寝る人は、膝の下に座ぶとんや毛布などを入れ、股関節と膝を曲げるようにすると起こりにくくなります。
運動の前後には、ストレッチを行い、前日は睡眠を十分にとるようにします。寒いときの外出前はからだをあたため、ふだんは足を冷やさないように、入浴などであたためることもたいせつです。
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