副鼻腔炎(蓄膿症)(ふくびくうえん)

どんな病気?


ほおの裏側にある上顎洞と呼ばれる空洞に、ウイルスや細菌の感染で炎症が起こり、分泌液がたまった状態です。

症状


一般に蓄膿症といわれています。成人では頭痛や鼻閉の訴えが多いのですが、子どもの場合、こうした症状は少なく、膿性の黄緑色の鼻汁が唯一の症状であることがほとんどです。
 また、鼻汁がのどに流れる後鼻漏がしばしばみられ、これが夜間の長引くせきや咽頭痛を起こします。

原因


副鼻腔炎には急性と慢性があります。急性の副鼻腔炎は、ほとんどがかぜによる鼻炎のあとに起こり、発熱や黄色っぽいドロッとした鼻汁がでるほか、重症の場合、顔面の痛みやほおのはれなどがみられることもあります。
 慢性副鼻腔炎では、鼻中隔の湾曲、ポリープ、アデノイド肥大、むし歯、アレルギー性鼻炎などが慢性的な炎症の誘因となります。これも急性副鼻腔炎と同様に、かぜをひきやすい寒い季節によくみられます。

治療


子どもでは、かぜのときに副鼻腔のレントゲンをとると、しばしば副鼻腔炎のようすがみられます。通常は自然に治りますが、長引いたり、重症のときには抗生物質を投与します。
 慢性副鼻腔炎の治療に確立されたものはありません。抗生物質はある程度有効ですが、投与期間は一定していません。そのほかに、鼻汁が続く場合は鼻汁を吸引し、血管収縮剤を鼻に直接投与します。
 また、原因があればその治療も必要です。アレルギー性鼻炎があれば、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の投与も有効です。小学生以上のまれな重症例では、鼻から上顎洞(ほおの奥にある副鼻腔の一部)に針をとおして膿をだし上顎洞を洗浄することもあります。
 ただ、この病気は自然に治癒する傾向が強く、10歳ころになると大部分が自然に治ってしまいます。過去の報告では、抗生物質のみの治療を受けた場合と、上顎洞洗浄まで受けた場合とでは、6か月後の治癒率に差はなく、最終的にはどちらも90%以上の治癒率であったことが明らかになっています。
 このため子どもでは、なるべく保存的治療を中心に行い、難治性でも、上顎洞の洗浄については、主治医とよく相談して慎重に行う必要があります。

家庭でのケア


乳幼児では鼻汁を吸引したり、年長児では自分で鼻をかむようにさせます。症状が一時的によくなっても、かぜがきっかけで悪化することがよくあります。昔は蓄膿症での手術が多くなされたため、必要以上に心配されてしまいますが、自然に治ることが多い病気なので、あまり気にしないことが大切です。
 また「蓄膿症の子どもは注意散漫になり、学力の低下を起こす」とよくいわれたりしますが、まったく根拠はありません。
図「副鼻腔炎・家庭でのケア」
乳幼児では、鼻汁吸い器でまめに鼻汁を吸い取ります。

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