体内で起こる、生命活動に必要なすべての物質の流れを代謝といいますが、それを制御しているのが、酵素というたんぱく質です。生まれつきその酵素がないと、必要な物質ができなかったり、不要な物質が蓄積されて異常が現れます。それが先天性代謝異常症です。 体内には多くの酵素があり、酵素の数だけ代謝異常は起こります。それぞれの先天性代謝異常症の頻度は、内分泌の病気よりもずっと低いのですが、種類が多いため、大学病院の小児科を受診する子どもの1〜10%は先天性代謝異常症とみられます。
原因は遺伝子の異常です。体内でたんぱく質をつくるのは遺伝子ですが、生まれつき特定の遺伝子が変質していると正常な酵素がつくられません。
先天性代謝異常症の多くは、遺伝子病(「染色体の病気」)に含まれます。
先天性代謝異常症は、初期は症状がでなかったり、症状の出方に個人差があります。つぎの徴候がめやすです。
①脈や呼吸が速い、熱があるか低体温、ミルクの飲みが悪いなど、感染症に似た症状がみられる。②正常分娩だったが、その後、元気がない、ミルクの飲みが悪い、嘔吐する。③けいれん、筋力低下などの神経症状がある。④かびくさい、汗くさい、魚くさいなど特有の体臭がある。⑤肝臓がはれて大きい。⑥特異な顔つきや体つきをしている。
①ストレスや感染症を契機に、発作的なけいれん、嘔吐、意識障害を起こす、②急病の際に異常な体臭がある。③説明のつかない知的退行、発達の遅れ、運動機能障害、けいれんがある。④肝臓や脾臓がはれて大きい。⑤腎結石がある。⑥特異な顔つきや体つきがある。
先天性代謝異常症のなかには、早く発見して治療すれば、健康な赤ちゃんと同じように育つものもあります。そのために新生児全員に公費でスクリーニング検査を行っています。
検査対象は、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、それに内分泌異常のクレチン症、先天性副腎皮質過形成症を加えた計6つが2011年まで行われていました。2012年以降、タンデムマススクリーニング法の採用で、新生児マススクリーニング検査の対象疾患は、2019年11月現在で25と大幅に増えました。このうち20疾患を発見精度の高い一次対象疾患とし、5疾患を精度のあまり高くない二次対象疾患として区別しています。一次対象疾患はフェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)尿症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、長鎖-3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2(CPT1)欠損症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、先天性副腎過形成症の20疾患で、これらを高い確率で見つけ出し、早期治療を始められるようになっています。
生後4〜7日ごろ、新生児のかかとから採血して検査します。異常値がでたときは専門の小児科を紹介されます。
先天性代謝異常症のうちアミノ酸、有機酸、糖の代謝異常(「アミノ酸代謝異常」「有機酸代謝異常」「糖質代謝異常」)は食事療法でかなりよくなります。また酵素の補充療法や骨髄移植、肝移植が試みられたり、遺伝子治療(「希望とともに今後の研究が待たれる遺伝子治療」)も行われるようになってきました。しかし多くは、有効な治療法がありません。
原因は遺伝子の異常です。体内でたんぱく質をつくるのは遺伝子ですが、生まれつき特定の遺伝子が変質していると正常な酵素がつくられません。
先天性代謝異常症の多くは、遺伝子病(「染色体の病気」)に含まれます。
先天性代謝異常症の疑わしい徴候
先天性代謝異常症は、初期は症状がでなかったり、症状の出方に個人差があります。つぎの徴候がめやすです。
新生児期の徴候
①脈や呼吸が速い、熱があるか低体温、ミルクの飲みが悪いなど、感染症に似た症状がみられる。②正常分娩だったが、その後、元気がない、ミルクの飲みが悪い、嘔吐する。③けいれん、筋力低下などの神経症状がある。④かびくさい、汗くさい、魚くさいなど特有の体臭がある。⑤肝臓がはれて大きい。⑥特異な顔つきや体つきをしている。
新生児期以後の徴候
①ストレスや感染症を契機に、発作的なけいれん、嘔吐、意識障害を起こす、②急病の際に異常な体臭がある。③説明のつかない知的退行、発達の遅れ、運動機能障害、けいれんがある。④肝臓や脾臓がはれて大きい。⑤腎結石がある。⑥特異な顔つきや体つきがある。
早期発見のための新生児マススクリーニング検査
先天性代謝異常症のなかには、早く発見して治療すれば、健康な赤ちゃんと同じように育つものもあります。そのために新生児全員に公費でスクリーニング検査を行っています。
検査対象は、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、それに内分泌異常のクレチン症、先天性副腎皮質過形成症を加えた計6つが2011年まで行われていました。2012年以降、タンデムマススクリーニング法の採用で、新生児マススクリーニング検査の対象疾患は、2019年11月現在で25と大幅に増えました。このうち20疾患を発見精度の高い一次対象疾患とし、5疾患を精度のあまり高くない二次対象疾患として区別しています。一次対象疾患はフェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)尿症、複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型、中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症、極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症、長鎖-3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)欠損症、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2(CPT1)欠損症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、先天性副腎過形成症の20疾患で、これらを高い確率で見つけ出し、早期治療を始められるようになっています。
生後4〜7日ごろ、新生児のかかとから採血して検査します。異常値がでたときは専門の小児科を紹介されます。
先天性代謝異常症のうちアミノ酸、有機酸、糖の代謝異常(「アミノ酸代謝異常」「有機酸代謝異常」「糖質代謝異常」)は食事療法でかなりよくなります。また酵素の補充療法や骨髄移植、肝移植が試みられたり、遺伝子治療(「希望とともに今後の研究が待たれる遺伝子治療」)も行われるようになってきました。しかし多くは、有効な治療法がありません。
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