消化管異物(しょうかかんいぶつ)

異物を飲み込んだら


 子どもがハイハイしたり、歩きはじめて、移動行動がさかんになると、急にふえてくるのが誤嚥・誤飲の事故です。
 ボタンやコイン、安全ピン、ボタン型電池、あるいはおもちゃの部品などを口にして大騒ぎになります。
 異物は気道に入る場合と食道・胃に入る場合がありますが、ものを口にすると、喉頭蓋が気道を閉じるので、食道・胃に入る消化管異物のほうが多くみられます。
 消化管異物は、さらに食道異物と胃内異物とにわかれます。
 食道異物は食道内に異物がとどまっている症状です。食道には、生理的に3か所、せまくなっている部分があり、この生理的狭窄部に異物が引っかかります。
 症状は異物の大きさや形、また、食道のどの部分にとどまっているかによってちがってきます。
 おもな症状は胸の痛みや、食べるときにものをスムーズに飲み込めない、胸になにかがつまっているような感じがするなどです。胃内異物は食道を通過して、胃に異物がとどまっている状態です。
 小さなものを飲み込んだ場合には、胃に入ってしまうと、ほとんど症状はありません。ただ、魚の骨、針、かみそりなどでは、粘膜が傷つけられるので、血の混じった嘔吐があったり、腹痛を訴えたり、顔色が悪くなり、気分が悪くなったりします。
図「異物を飲み込んだときの応急処置」
乳幼児の場合は、頭を低くして、背中の中央を手で数回たたく。

多くは内視鏡で除去


 周囲の状況をみて、なにかを飲み込んだらしいと思ったら、すぐに小児科や小児外科を受診しましょう。このとき、「1円玉がそばにあった」「おもちゃの部品がなくなっている」などと、周囲の状況をくわしく話しましょう。
 診断はX線検査や造影検査によって行われ、異物が特定されます。
 食道異物の場合、多くは内視鏡で取り出すことができます。子どもでは内視鏡操作の途中で動くので、全身麻酔をしてから行います。
 異物が胃までくると、そのまま腸を通過するので、胃内異物では、胃を傷つけるものでなければ、そのまま自然に排泄されるのを待ちます。
 ボタン型電池は、先端に磁石がついたマグネットカテーテルを胃内に入れ、X線透視下で、くっつけて引き上げます。なかなか排泄されないときは内視鏡で取り除きます。場合によっては、開復手術が必要になります。

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