
二世帯住宅・住まいかた比較ガイド
理想の二世帯住宅とは?
理想の二世帯住宅とは?

建てる前にはわからなかったけど、「住んでみて気づいた」というエピソードを集めました。どの失敗・後悔談も、裏を返せば二世帯生活の先輩からのアドバイスです。

住んでから気づいた!親の声 子の声
- 孫との交流
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孫との交流
世話の頻度
親を託児所と勘違い!?
孫を預かるのはいいけど、最近、頼まれ過ぎて託児所化してきている気がする。たまには私にも自分の時間をちょうだい!(母)子守り
親が高齢だということを忘れずに……
孫はかわいいし相手をするのも楽しい。けど、私もだいぶ歳をとったから、元気過ぎる孫の相手に疲れるときも。やっぱり孫は「来てうれしい、帰ってうれしい」かな。(父)おやつ
夕食前なのに……妻が二世帯分の食事を用意する間、親に子どもの世話をお願いしていたが、夕食前におやつを与えるように。結局、妻の不満がたまり、世話を頼まなくなった。(夫)
- 好みや習慣の差
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好みや習慣の差
食生活の違い
食生活の違い料理のつくり分けをするハメに……
お嫁さんが仕事に復帰したので、食事の支度を担当。遅い帰宅の息子に温め直した料理を出したら「嫁は違った」と文句を言われた。意外にうるさい(笑)。(母)ニオイや音
耳にも鼻にもつく世代の違い
遅い時間に子世帯から音がしたりするのは予測していたが、意外とニオイも鼻につく。料理やお香など、私たちとは嗜好が違うニオイが漂ってくるのでびっくりした。(母)生活のリズム
共働きのため休日はダラダラ過ごしたいのに、義母に注意される。事情を話しても、「だらしない」と一蹴! 休日なのに、夫婦そろってストレスがたまることも多いです。(夫)
- 人間関係
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人間関係
直系の親子
母・息子関係が抜けない親子
仲よしなのはいいけど、いつまでも母・息子という関係性が抜けていないよう。お互いにわがままを言ったりしていて、いい加減大人になってほしい。(妻)入室合図
せめてひと声かけてください……
入室に関するルールを特に決めていないので、子世帯スペースに勝手に入ってくる。避けたいわけじゃないけど、世帯間を行き来する際はひと声かけてほしい。(妻)夫婦時間
親のプライベートは?
私たち親世帯に気を遣ってくれるのはいいんだけど、やたらと買い物や旅行に誘ってくるので少し困っている。少しは夫婦の時間もとりたいんだけど……。(母) - 間取り・設備の問題
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間取り・設備の問題
くつろぎ
たまにはひとりでゆっくりしたい!
1階の親世帯に共有のリビングがあるので、常に人の目に触れていて気が休まるところがない。自分の部屋とまではいかなくても、せめてこもれる場所があれば……。(母)防犯
相手世帯のクセにも注意!
親が玄関のカギを閉め忘れる。電子錠にすればよかった。(妻)外出時
プライベートが親に丸見え!?
1階居室のドアがガラスで、玄関が親世帯から丸見え。ちょっとおしゃれをしていると声をかけられるので、外出時に気を遣います。「また遊びに行くの?」と思われてそう。(妻)連絡手段
インターホンを付けておけば……
完全分離なのに、すぐこちらに来る親。結局、用が終わっても長居。インターホンを付けて、連絡できるようにすればよかった。(夫)設計
「なんでもいい」は禁物!
親が設計にもう少しタッチすべきであった。子世帯がほぼ決めてしまった……。(父) - 経済的・将来的な問題
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経済的・将来的な問題
階段
親世帯の階段は……
両世帯で上下階を共有するつくりにしたが、親が高齢になったら階段の上り下りが大変かも。親が1階だけで生活できる完全分離にすればよかった。(夫)光熱費
後から言えない家計分担
光熱費や生活費の分担を最初にしっかりと決めなかったので、子世帯の方が多く使っているようで、今さら何も言えない。電気の消し忘れとか、多い気がするんだけど。(母)家計負担
いつまでも甘えないで!
自分たちが働いている間、家計費は親が多く払っていた。それがふつうになり、退職後も子世帯が甘えてくる。家計分担比率の変更時期を決めておけばよかった。(父)
実際に二世帯同居を始めた方のエピソード
いざ二世帯同居を考えはじめても、これからの暮らしを具体的にイメージするのは難しいものです。
ここでは、二世帯オーナー様から寄せられた、さまざまな生活シーンのエピソードをご紹介。
基本となる住居形態は3タイプ
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完全分離型
ひとつの家で二世帯が玄関やリビング、キッチンなど一戸建の機能を独立したスタイル。 -
ほどほど同居型
玄関、浴室など、住まいの一部を必要に応じて共有するスタイル。 -
完全同居型
寝室などのプライベートスペース以外はすべて共有し、ひとつの家族として生活するスタイル。
- プライバシーの確保編
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プライバシーの確保編
完全分離型間取り
上下の部屋の位置をずらしていれば……
1階と2階がほぼ同じ間取りのため、孫があばれるときはさすがに音が響いてきます。生活スタイルの違いを考えて、上下階の位置関係をもっと考慮すべきだった。(父)完全分離型プライベートスペース
「独立した仕事部屋」がほしいとこだわった。(父)
完全分離型入室
必ず「入るよ」と声をかけています。(母)
完全同居型家事
嫁姑、お互いの領域には踏み込まない 子世帯の洗濯ものは取り込まない。少しでも家事のやり方に踏み込むと、お互いの生活に口をはさむことになるので。親切心が大きなお世話になることもありますから……。(母)
完全分離型プライベートスペース
夫婦のプライベートな時間やケンカなどを両親に見られるのが嫌だったので、完全分離に!(夫)
完全同居型プライベートスペース
女性陣が平和なのが一番
嫁姑それぞれが息をつける空間を確保することが、僕の第一優先事項でした。(夫)完全分離型孫だけが自由に出入り!
二世帯をつなぐ扉の鍵は子世帯のみ所有しています。(妻)
POINT
・世帯間の違いを理解し、「違って当然」くらいの心持ちで。
・譲れない部分はルールを決め、もめごとを事前に防ぎましょう。 - 間取り・設備の作り方編
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間取り・設備の作り方編
完全同居型お風呂・洗面室
カウンター付き洗面室が便利!
広い洗面室にして大正解!二世帯分のパジャマや掃除用具などが入る収納もつくりました。カウンターは、鏡を置いて化粧スペースにもなるので重宝してます。(妻)完全同居型お風呂・洗面室
子世帯用にシャワー室をつくったら、夜遅い帰宅や来客用に大活躍!(母)
ほどほど同居型玄関
玄関が別だと、お嫁さんの両親が来たときに気を遣わなくていい。(母)
ほどほど同居型玄関
完全分離を希望していたが、土地の広さの都合で玄関だけ共有にした。でも、すべてを分けた家だと同居にしては寂しいので、結果的によかった。(妻)
完全同居型リビング
何よりもリビングは広く!
玄関やお風呂をひとつにしてでも、みんなが集まるリビングを広くした!(妻)完全同居型キッチン・ダイニング
臨機応変にサブキッチンを活用 どちらかの世帯にミニキッチンがあれば、忙しい朝は各世帯でササっと食事をとり、夜は全員で集まって夕食!と使い分けられるから、ストレスも溜まらず。(夫)
ほどほど同居型キッチン・ダイニング
かつて二世帯同居の経験がある母の「キッチンは2つに」というアドバイスに従ってよかった。(夫)
ほどほど同居型トイレ
毎日順番待ち!
7人家族だからにぎやかで楽しいけれどトイレの順番待ちがつらい……。(妻)完全分離型部屋数
孫の未来のために!
建て替えの際、孫の成長を考えて、親世帯の部屋を減らした分、子世帯を広くしました。(母)ほどほど同居型庭
二世帯で共有の楽しみ
生活空間はプライベートを保ちつつ、家庭菜園やガーデニングの趣味を義父母と共有!(妻)POINT
・「気を遣わせない」気遣いも、思いやりのひとつ。
・世帯間の生活時間のズレへの配慮が必要。
・限りある空間だから、ここぞという場所にゆとりを。 - 世帯間の距離編
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世帯間の距離編
完全同居型掃除・片づけ
ほどよい緊張感がピシッとさせるある意味、常に家に“他人”がいるので、ダラダラせず、ちょっとしたときにササっと片づけをするようになりました。(母)
完全分離型掃除・片づけ
子育て支援の延長線で育児中の娘に代わり、掃除は私の担当。子世帯部分は娘がやるはずでしたが、ついでなので結局全部私がやってます(笑)。(母)
ほどほど同居型団らん
週末に二世帯同居を満喫!
平日は各世帯で、土日は両世帯でいっしょに過ごすことがルールです。(母)完全同居型団らん
交流が孫の成長に!
親と子それぞれの来客でも、共有リビングに通します。
そのおかげか、孫の社交性がアップ!(母)完全分離型コミュニケーション
ちょっとした会話や挨拶がちょうどいい
基本はお互いに干渉せず、朝や夕方に顔を合わせたときなど、軽く立ち話をしてから自分の家に入るようにしています。(妻)完全分離型コミュニケーション
近所付き合いや生活の知恵を母に伝授してもらっています!
3時のおやつになると、母・叔母・妻ら女性陣が親世帯のリビングに集合。(妻・夫)完全同居型食事
好みの違いはちゃんと伝える
親が用意してくれる和朝食を食べていたけど、私たちはパン派。半年後にやっと本音を告げ、今はそれぞれが用意していっしょに食べています。(妻)ほどほど同居型食事
ごちそうになるのも大家族の楽しみ
父が大の釣り好き。釣果がよかったときは、魚料理をごちそうになって楽しんでいます。最近は小学生の子どもも連れていき、さらにはりきっています。(夫)POINT
・付かず離れずのほどよい距離感を見極める。
・家族だからこその「支え合い」を楽しむ。 - 孫との管理編
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孫との関係編
完全同居型孫のしつけ
一歩引いたところから育児を見守る
子世帯の育児はムラがあることもしばしば。自分たちが孫の逃げ道になれればと、叱られたときはさりげなくフォローをしているつもりです。(母)ほどほど同居型孫のしつけ
祖父母の存在がいい逃げ場に
子どもを叱ると親世帯にすぐ行ってしまうが、30分もすれば帰ってきて謝ってくる。逃げ場があることで落ち着くのか、自分なりに反省できるみたい。(妻)ほどほど同居型孫のしつけ
一番身近な子育ての先輩
子どもに対し、激しく叱ってしまいがちな私。そんなときは親が間に入って、諭すように子どもに言い聞かせてくれるので助かります。(妻)ほどほど同居型孫がいるメリット
世帯間をつないでくれる
共働きなので、子育てを手伝ってもらうことで負担が減り助かっている。それに、子どもを通じて親世帯とのコミュニケーションが増える!(夫)POINT
・子は頼り過ぎず、親は口を出し過ぎずがちょうどいい。
- お金の管理編
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お金の管理編
毎月の家計の支出のうち、両世帯で分担して出し合っているものは?
完全同居型すべて折半で対等に分ける
子世帯は人数が多いので光熱費も多く払うと言ったが、「昼間は親がいることが多いから半分でいい」と言ってくれたので、いくらかかろうと折半してます。(妻)
ほどほど同居型決まりはつくらずその都度で
基本的には、支払い方法に決まりはつくっていないです。遊興費をときどき両世帯で出し合ったり、そのとき余裕のある方が多く支払ったりする程度かな。(妻)
完全分離型母ひとり分を子世帯がフォロー
親世帯の食費、携帯電話料金(固定電話は別々)、保険関係の支払いは子世帯が出しています。子どもも既に成人しているし、母の老後サポートのために同居をはじめたので当然です。(夫)
ほどほど同居型払える間は親世帯が出す
生活費は別々だけど、光熱費など共用のものは、親世帯が払える間は払う。どうせ、死んだら子世帯が払うことになるのだから(笑)。いちいち細かく分けてもしようがない。(父)
完全分離型お金の受け渡し方法は?
独自の集金方法で運営
母のところに請求書がすべて届くので、世帯間を行き来する「集金袋」に現金を入れ、親世帯に渡してます!(妻)完全同居型光熱費はどちら持ち?
1カ月交代で各世帯が定額を出し、その中で光熱費をやりくり。(妻)
ほどほど同居型献立代は定額で
食費は、献立代をお嫁さんに渡している。足りないときや余るときもあるだろうけど、追加精算はしない。(母)
POINT
・負担割合、支払い方法はきっちり決める。
・臨機応変に“だいたい”で分ける。 - 将来への配慮編
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将来への配慮編
完全同居型設備の配置
老後を考えて1階を生活スペースに
将来、何かあったときのために1階にすべての設備があるようにした。親世帯は、老後に足腰が悪くなったり寝たきりになったりしたら2階には上がれなくなるので……。(夫)完全分離型家の広さ
20、30年後もこの家に住んでいるのは?
将来、自分の子どもがこの家でいっしょに暮らすとは限らない。出ていくとなったら、この家は無駄に広いな……と思う。何十年も先のことだけど、よく考えて間取りをつくりたい。(妻)ほどほど同居型バリアフリー
車イスになったことを想定した間取りづくり
それぞれ独立して生活をしたいので、共有スペースは玄関のみ。でも、親の将来を考えてトイレまわりのスペースを広く取り、車イスになった場合でも通れるよう配慮した。(夫)完全分離型賃貸経営
部屋を有効活用しつつ収入も得られる
親が亡くなったときのことを考えると、そのときに一部を貸家として活用できるような工夫が必要だと思った。わが家はすべての設備が2つある完全分離なので、賃貸経営も可能。(夫)POINT
・世帯変化と介護を考えた間取りに。
・用途の変更も考慮した建物計画を。
